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Mー1という祭りのあと

とうとう今年のMー1グランプリが終わりました。芸人さん、スタッフさん、関係者の皆様ありがとうございました。最高の一日を過ごせました。

もう全組面白かったです。決勝進出者となるともう誰もすべらない。漫才のレベルが上がっていることがこの一点だけでもわかりますよね。

優勝するかどうかは運が大きく左右します。出番順で大きくウケが変わりますからね。

今回の決勝に関しては個人的に応援していたコンビがいました。『モグライダー』というコンビです。

モグライダー

ボケのともしげさんの強烈なキャラに加え、ツッコミの芝さんは長年天才と呼ばれる才能の持ち主です。

その芝さんが『ワラグル』の感想コメントをくださったんですよ。

『俺もワラグルか? お前はどうだ? こいつで確かめろ!』


めちゃくちゃいいコメントですよね。ほんとこのコメントをくださってますますモグライダーのファンになりました。

だからモグライダーに注目していたんですが、なんとトップ出番を引いてしまったんです。

お笑いの賞レースではトップ出番は圧倒的に不利と言われています。

うわあトップ出番か、と肩を落としかけたんですが、トップ出番とは思えないほどドカンドカンウケたんですよ。

歴代のトップ出番の中で最高得点だったそうです。モグライダーのおかげで今回のMー1のレベルがとんでもなく上がった気がしました。

もうそれ以降の全組それぞれに魅力があって面白かったんですよね。こんな全員ウケることあるんですかね。

漫才って『ニン』というそれぞれの個性とか長所をいかに出すかっていうのが大事なんですが、決勝組となるとそのニンを全組掴んでいるんですよね。

いわばニンという超能力を身につけた超人同士の戦いなんです。こうなるとニンをどれだけ最大限に出せるかにかかっているかなんですが、そういう意味では錦鯉さんが強かったですね。

錦鯉

錦鯉のボケの長谷川さんは、年齢五十歳で最高齢のMー1決勝進出者です。

そして長谷川さんは強烈なアホなんです。お笑いの世界ではアホは最強カードですよ。

だから五十歳のアホってとてつもないニンですよ。鬼が核ミサイルのボタンに指を置いているようなものです。

その長谷川さんの最強のニンをツッコミの渡辺さんが倍加させる。渡辺さんのツッコミがこれまたいいんですよね。

あと準決勝と決勝ではお客さんの層が変わるんですよね。準決勝はコアなお笑いファンで、決勝は一般の方々。だから準決勝で大ウケでも、決勝ではそこまでウケがこないっていう現象が起きるんですよ。お笑いファンってどうしてもとがったネタを好みますからね。

でも錦鯉ってお笑いファンも一般の人も笑ってしまうんですよね。

そして結果、錦鯉さんが優勝です。五十歳と四十三歳のおじさんコンビがなんとMー1で優勝してしまったんです。

こんなこと想像できないですよ。ワラグルで五十歳のおじさんを主人公にして優勝させたら、「こんなことあるわけないだろ」と一蹴されてしまいます。

ありえなさすぎて小説や漫画の設定でも使えないことを成し遂げてしまったんです。

優勝して長谷川さんが号泣されていましたが、僕ももらい泣きしてしまいました。

売れない芸人ってお金もないし世間的な立場も低いし苦労が絶えないですけど、長谷川さんの苦労は並大抵のものじゃないですからね。全芸人の中で誰よりも苦労しているはずです。それを想像して泣いてしまいました。

Mー1はドラマがあるものですが、今回まさかこんなド級のドラマが用意されていたとは。

来年は一体どんなドラマが待っているのか。ほんと今から来年のMー1が待ち遠しくて仕方ありません。

そして今回のMー1を見て、ワラグルという作品をこの世に残せて本当によかったと心から思いました。


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浜口倫太郎 作家
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