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2024年は「企業内生成AI元年」になる
こんにちは、株式会社HQ(エイチキュー)でソフトウェアエンジニアをしている増田です。HQは「テクノロジーの力で、自分らしい生き方を支える社会インフラをつくる」をミッションに掲げるスタートアップ企業です。初期プロダクトとして社員の個別最適なリモートワーク環境の構築を支援する「リモートHQ」を開発、運用しています。
前回の投稿では、リモートワークと企業内生成AIの普及により、「書くこと」が今後より重要になっていくではないかという考察を行いました。
今回の投稿ではその「企業内生成AI」についてもう少し深堀りしてみたいと思います。2024年は「企業内生成AI元年」と呼ぶに相応しい1年になるのではないかと個人的には考えています。新年最初の投稿にうってつけの話題だと思います。よろしくお願い致します。
生成AIがビジネスへ本格的に波及していくフェースに入る
ここ2-3年の最も目立ったテクノロジートレンドが生成AIであったことに異論は少ないと思います。主にテクノロジー感度の高い消費者により、ChatGPTを始めとした生成AIの利用が盛んに実験、試行、そして喧伝された数年でした。「プロンプトエンジニアリング」や「ハルシネーション」といった専門用語が非テクノロジー界隈でも普通に飛び交う光景も珍しくなくなりました。
そのように感度の高い個人が積極的に生成AIを利用し、業務を効率的にこなす方法、ChatGPTを自分の秘書やパートナーとして使用する方法がどんどんと「発明」される近年でしたが、いよいよもって企業による生成AIの利用が本格化するフェーズに入るのではないかと思います。そしてこれは単に企業がChatGPTの利用を従業員に許すといったレベルの話ではなく、それぞれの企業がそれぞれの企業のデータを使い、カスタマイズされた生成AIを作り、それを業務利用されるようになるいうことです。最終的には「AI同僚」と呼ぶべき存在の一歩目が踏み出される年となりそうです。
言わずもがな、このフェーズに向けて虎視眈々と準備をしてきたのがマイクロソフト、アマゾン、グーグルといった、これまで「クラウド」を各企業に積極的に導入していた「プラットフォーマー」等と呼ばれるソフトウェア企業群です。
企業内生成AI戦争はクラウド戦争の延長戦
企業内生成AIを巡るビジネス戦争は、クラウドを巡る戦争の続きになることが予想されます。企業内生成AIを作り上げるのにはその企業のデータが必要で、そのデータを握っているのが各社のクラウドプラットフォームだからです。もちろん異なるプラットフォーム間での相互運用は可能になると思いますが、例えばAzureをクラウドプラットフォームとして利用していた企業にとって、マイクロソフトの提供する生成AIを使うことは自然な選択肢になることは間違いないでしょう。
そして生成AIをきっかけにしてクラウドの導入を本格化させたいレイトアダプター(アーリーアダプターの反対)企業もまだまだいそうです。そういう意味でも企業内生成AIを巡るビジネスはクラウドビジネスの延長戦の様相を呈することが予想されますし、このレイヤーで新しいゲームプレイヤーが現れることは想像しにくいと言わざるを得ません。引き続きプラットフォーマー達がこの流れの主役であり続けると思われます。
ですがこのひとつ上のレイヤー、プラットフォーマーの提供する基盤の上にアプリケーションを開発し提供する、いわゆるSaaSと呼ばれるプロダクトとSaaSビジネスを営む企業間の競争には生成AIが大きな変化をもたらすかもしれません。
各種SaaS製品にもどんどん生成AI機能が追加される
この動きも既に始まっていますが、各SaaSプロダクトにもどんどん生成AIを使った機能が載せられていくことになりそうです。例えば最近ではドキュメント共有プラットフォームで有名なNotionがAI機能を発表しています。
こうしたサービスやアプリケーションは上述のプラットフォーマー達の作る基盤を利用して作られている訳ですが、彼らの提供する「生成AI機能」も言わばプラットフォームの一部になっていくことにより、こうしてどんどんと便利な機能の一部として生成AIが組み込まれていくことになりそうです。
プラットフォーマー達がユーザーのデータを握っているのはもちろんなのですが、このひとつ上のレイヤーでも業務に特化した機能を武器にユーザーデータの争奪戦が繰り広げられており、それを如何に効果的に利用し新しい価値を生み出すのか、プロダクトを差別化する大きな要因のひとつとなりそうです。
私が勤める株式会社HQ、生成AIのプロダクト内の積極利用が進められており、これかれ更にそこに投資することになりそうです。
まとめ
「クラウド戦争」の延長戦として「企業内生成AI戦争」をプラットフォーマー達が押し進め、更に生成AIをコンポーネントとして利用するSaaSプロダクトが「Powered by 生成AI」機能を提供することにより、企業内生成AIの利用が一気に進むであろう2024年について考察しました。正直言えば私がこんなことを書いている間にとうにその変化は始まっているのですが、それが更に顕著となる1年となりそうです。
最後に
株式会社HQでは「テクノロジーの力で、自分らしい生き方を支える社会インフラをつくる」というミッションに共に挑む仲間を募集中です。新しい年の始まりに新しい機会をお探しの方、是非下記採用ページをご覧になってみてください。もちろん、我々もビジネスに生成AIを積極的に利用しています。