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感染対策から戦略的投資へ。リモートワーク今昔物語。

こんにちは、株式会社HQ(エイチキュー)でソフトウェアエンジニアをしている増田です。HQは「テクノロジーの力で、自分らしい生き方を支える社会インフラをつくる」をミッションに掲げるスタートアップ企業です。初期プロダクトとして社員の個別最適なリモートワーク環境の構築を支援する「リモートHQ」を開発、運用しています。

前回のnoteでは私がHQに転職するにあたって同社に感じた魅力をまとめてみました。

この中で私が「ふたつのゲームチェンジャー」と呼んでいるのは新型コロナウイルスと生成AIのことでした。このふたつが起こす世の中の変化は今後の私のnoteで何度も話題になると思います。今回の投稿も例外ではなく、新型コロナウイルスによって開かれた新しい世界のひとつ、リモートワークの今までとこれからについて取り上げたいと思います。


自社サービス「リモートHQ」で自宅環境を刷新しました

まずは宣伝です。先日HQが初期プロダクトとして開発・運用する「リモートHQ」を使用し、自宅環境を刷新しました。我々は同サービスを開発・運用する立場ですが、同時にひとりのユーザーでもあります。私は前職のマイクロソフト時代から4年以上完全リモートワークにて業務に取り組んできましたが、まだまだ環境に投資できる部分が多かったことに驚きました。

自社サービス「リモートHQ」で刷新された私の自宅勤務環境

昇降デスク、ディスプレイ(32インチ)、ディスプレイ&ラップトップアーム、モニターライト、ウェブカメラが「リモートHQ」でレンタルしたものです。昇降デスクが120cm x 60cmと十分にサイズがあるので、コーディングの傍ら技術書を参照したり、メモを取ったりといった作業がとても効率よくできるようになりました。モニターライトは「リモートHQ」が提供するコンシェルジュサービスにてお勧めしてもらい半信半疑で導入したものでしたが、使ってみてすぐに生産性に直結するツールであると確信できました。ちなみに仕事外でも昇降デスクがコーヒースタンドとして大活躍してます。

さて、本題に入りたいと思います。

新型コロナウイルス登場前のリモートワーク

リモートワークはいつから存在していたのでしょうか。極めて限定的な役割ではあったと思いますが、通信手段の登場と共にリモートワークも誕生していたはずです。あさイチの連絡の為に自宅から取引先に電話する。仕事前に自宅で米国と国際電話を、あるいは仕事後に欧州と。そんな働きかたをされていた方もいたのではないかと思います。もちろん相当なコストがかかったはずなので、極めて限定的にしか使われていなかったはずです。

1990年代から2000年代にかけては、IT技術とインフラの進化により劇的に通信にコストが下がりました。VPNの技術なども確立し、自宅から時間のかかる処理(例えばソフトウェアのビルドやテストなど)を実行してから通勤したり、就寝したりといった効率的な時間の使い方も可能になりました。しかし技術的な環境は急速に発展したものの、まだまだ一部の技術者やスキルドワーカーしか恩恵を受けられない時代だったと思います。そういう意味では本質的な変化は起きていませんでした。

そういえば「ノマドワーカー」なんて言葉が生まれたのもこの頃だったと思います。オフィスを持たず、カフェを本拠地にしているソフトウェア企業が生まれたなんて話もあって当時は驚いたものです。

感染対策としてのリモートワーク

2010年代に入ってからも、IT分野の技術的な進化は続きました。クラウドの登場と普及、クラウドを利用したSaaSの登場、電話会議、電子署名、次々と現在のリモートワークを支えている技術は確立していきました。実際、要素技術どころかアプリケーションもすべて新型コロナウイルス登場前には出揃っていたはずです。それでも世の中に本質的な変化が起こるには至りませんでした。人々の意識を変えるのがどれほど難しいのか、それを示す証左でもあると思います。

これが新型コロナウイルスの登場と共に一気に変わりました。まずはここまでに既に確立していた技術とアプリケーションが、新型コロナウイルスの感染対策として一気に普及フェーズに入りました。そして感染対策として導入されたリモートワークが、人々の働くことに対する意識と常識を根本から変えました。働く場所、時間、働き方、企業と従業員の関係性、同僚との関係性、等々。ここまで本質的な変化が短期間の内に起こることは、私が生きている間にもう一度あるのかどうかというレベルの変化でした。90年代からひたすら続いていたIT技術の進化が、新型コロナウイルスという災害と共に一気に世の中を変えた、そんな瞬間でした。

戦略的投資としてのリモートワーク

そして新型コロナウイルス後、リモートワークは新しいフェーズに入ることになります。簡潔に言えば「戦略的投資」としてのリモートワークです。先日、『新型コロナ5類移行から半年の「リモートワークに関する調査」』という興味深いレポートがdoda(デューダ)さんから発表されました。

同調査は以下のようにまとめられています。

【調査結果サマリー】
・新型コロナウイルス感染症の5類移行後、実施頻度は減少傾向も、制度導入率は8.8pt上昇。
・8割以上の企業が「リモートワーク」の継続を予定し、新たに導入予定も約2割にのぼる。
・9割以上の企業が「リモートワーク」制度は採用に良い影響があると回答。
・ビジネスパーソンの9割が「リモートワーク」の継続実施を希望、制度廃止の際は6割以上が転職を検討。
・「リモートワーク」の柔軟性レベルで、ワークライフバランスの満足度に23.1ptの差。

[ニュース]新型コロナ5類移行から半年の 「リモートワーク」に関する調査 | 『日本の人事部』 (jinjibu.jp)

またdodaのキャリアアドバイザーの方が素晴らしい解説をされています。

<dodaキャリアアドバイザー解説①>

新型コロナ5類移行前・後の変化をみると、「リモートワーク」の週あたりの平均実施頻度は減少していましたが、導入企業割合は上昇という結果になりました。

「リモートワーク」が普及し出した当初は、感染防止の緊急措置としての導入が一定割合を占めていました。時間が経つにつれ「リモートワーク」制度の採用面でのメリットが高まり、戦略的に制度導入/継続する企業が増えていると考えられます。「リモートワークを導入している理由」を尋ねた質問でも、「多様性のある働き方の実現(52.8%)」「従業員満足度の向上(40.8%)」と、はたらき方の柔軟性に通じる回答が上位を占める結果になりました*6

[ニュース]新型コロナ5類移行から半年の 「リモートワーク」に関する調査 | 『日本の人事部』 (jinjibu.jp)

素晴らしいサマリーと解説であり私が足すべき情報はないくらいです。リモートワークは感染対策としての役割は終えつつあるものの、多様な働き方を望むようになったビジネスパーソンを採用、およびサポートするため、企業が「戦略的投資」としてリモートワークを継続、および開始している。そういった様子が伺えるレポートです。

先日、株式会社ミイダス様の「リモートHQ」導入事例を公開させて頂きましたが、まさに先進的な企業がリモートワークを戦略的に捉えていることが分かる導入事例となっております。よろしければ是非ご覧になって下さい。

生産性の高さだけを求めると、厳密には出社したほうが良い面もあるかと思います。しかし、社員のライフワークバランスやエンゲージメントなどを鑑みると、「トータルとしてリモートワークの方がメリットが大きい」という経営陣の判断から、コロナ収束後もフルリモートを継続しています。

さらに、私としてはフルリモートがエンジニアの採用においてアドバンテージになるという考えがあります。日本全国から優秀なエンジニアを採用できますし、アフターコロナとなり出社を再開している企業も多い中で、フルリモートを継続していることを強みの一つにできると思っています。

株式会社ミイダス |リモートHQ|導入企業事例 (remote-hq.com)

これからのリモートワーク

今後は戦略的な投資として当たり前となったリモートワークという新しい働き方の上に、関連するサービスやビジネスが立ち上がってくると思います。個人的にたここから2-3年で「AI同僚」とも呼ぶべき存在がメジャーになると見ています。既にChatGPTやSlackのbotが自分の同僚かのごとく利用されている職場はたくさんあると思いますが、これが更に一般的になると考えます。背景にはマイクロソフトやアマゾンが、これまで築き上げてきたクラウド基盤を武器に「企業内生成AI」を広げようとしていることがあります。その企業の事業により適応した形で働いてくれる、そんなAI同僚の誕生はもう間近です。違う分野で発展した技術ではありますが、メタバースも十分そこに付加価値を提供する可能性があります。

もちろん、我々HQも「リモートHQ」をはじめとする今後のプロダクトやサービス群で、人々の働き方の「これから」に貢献していくつもりです。

まとめ

自宅のリモートワーク環境を刷新したことをきっかけに、世の中のリモートワークの今までとこれからについて考えてみました。戦略的な投資となったリモートワークがこれから世の中にどんな変化をもたらしていくのか、ひとりのプレーヤーとしてワクワクしながら業務に取り組んでいきたいです。

最後に

株式会社HQでは「テクノロジーの力で、自分らしい生き方を支える社会インフラをつくる」というミッションに共に挑む仲間を募集中です。人々の働き方の「これから」を作っていく仕事に少しでも興味がありましたら、是非下記採用ページをご覧になってみてください。

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