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第30回電撃大賞 選考委員奨励賞を受賞しました

 久々にnoteを書くような気がします。

 題名にある通り、賞をいただきましたので所感などなど書いていければと思います。

 また、今回の応募に関して振り返るべき反省もありまして。実はそっちが本題です。私の反省から、公募勢の仲間たちへ何か糧になるものをお伝え出来たら、という想いから筆を取りました。

 愛すべき公募勢の仲間たちへのエールという記事内容になっています。

 お時間があり、読んでもいいよという仏のような方がいらっしゃいましたら読んでいただけますと喜びます。



まずは感想

 これに関しては、長く書いても仕方がないのでさっくりと。

 実際のところ、まだ受賞したという実感はあまりないというのが正直なところです。

 編集者様と話をしていたり、改稿作業を進めていたりと、刊行へ向けて動いてはいるものの、まだ何かが形になっているわけではありません。

 実際に本が刊行された時、実感が沸くのかなと思っています。なので心持としては、受賞前と変わらず「とにかく毎日書き続けよう」という精神状態です。

 とはいえ、色々なメディアに自分の名前が載るという状況は新鮮ですね。眺めながらニヤニヤはしています。

 

応募作に関して

 本題はここから。

 あまり色々なことは書けませんが、今回の応募作に関して書ける範囲で書いていきたいことがあります。

 なぜならば、この経験はきっと同じ公募勢の皆さんへのバトンにもなり、自分自身の反省にも繋がると考えたからです。

 まず、応募作『Bloodstained Princess』は2021年の秋ごろに書き上げた作品でした。実に2年ほど前の作品です。

 以前の記事でも書いた通り、今作はいわゆる使いまわし。新作をかき上げる余力のなかった私が、苦し紛れに加筆修正したものを電撃大賞に送り込んだという経緯があります。

 そして、何を隠そう今作は、第29回電撃大賞の一次落ち作品でした。

 個人的には好きな話だったという事と、他の新人賞でそこそこ良い成績を出していた、という2点から選出し、修正、応募しました。 

 つまるところ、記念受験のようないい加減な気持ちで応募していたわけです。選考に関わってくださった皆様には大変失礼な話です。反省しています。

 しかも、2年前の私には推敲作業というフェーズが存在せず、まともな修正もしていない状態でした。誤字脱字が目立つよね、と評価されているという話は編集者様からもお伝え頂きました。

 いや、本当にごめんなさい。

 しかし、そんな状態でも、私の作品を良いと押してくださった方がいました。その方々のおかげで受賞までたどり着けたわけです。

 本当にありがたい気持ちでいっぱいですが、何ともやるせない気持ちというのもあったりします。

 例えるのであれば、受験まで必死こいて勉強したのに、前日に夜更かしして遊んでいたから本番に響いた。みたいな?

 私の人生ではよくあるパターンです。はい。これでも反省しているんです。本当ですよ?


今回の経験から言える事と反省

 上記の経験から言えることは3つ。

① 使いまわしは決して悪ではない
② 応募原稿はちゃんと仕上げて送る
③ 一次選考で落ちても、凹まないほうが良い

 当たり前のことかもしれませんが、この3つです。詳しく話していこうと思います。

① 使いまわしは決して悪ではない。

 これは多くの方が話している通り。新人賞は企画しているレーベルのカラーがあったり、時代の流れがあったりすると思います。一言で表現するならば相性でしょうか。

 自分の得意で戦えるレーベルとマッチできるように、いくつかの賞に応募する。使いまわしとは、つまるところお見合いのようなもので、これ自体は悪い事ではないと考えます。

 実際に、一次で落ちた作品が別の新人賞で高次まで残るなんてこともあるようです。手元にある作品はどんどん使いまわしていくとよいと思います。

 また、使いまわしの際には読み直し、書き直しを加えることをお勧めします。過去の作品からどのくらい自分の技量が上がっているのか、明確に分かるからです。

 私の場合、悪い意味で2年という時間の生み出した成長を感じることとなりました。実際のところ、これが成長かどうかは分からないのですが、過去作品を読み返して悲鳴を上げることは、案外良い刺激になります。詳しくは次の話で書きますね。

 ですが大前提として、重複応募はダメです。いろんなところに迷惑をかけますから。受賞しないと高を括っていて、受賞してしまった私のようなパターンがあります。物事に絶対はないですので、お気を付けください。

② 原稿はちゃんと仕上げて送る

 そもそもの話、推敲作業はするべきです。話の内容や物語の完成度を上げる作業であり、本気で新人賞に応募するのであれば行うべき当然の作業でしょう。

 ただでさえ、プロでもなんでもない素人の作品を、編集部や下読みの方に読んでいただくわけです。しっかり仕上げるのは当然の礼儀です。

 厳格な締め切りも存在しないアマチュア時代から、そんなことすら出来ない人間が、プロの世界でやっていけるはずがないですからね。

 さて、ここで一つ悪い実例を挙げましょう。そんな当然の事をやらずに応募した挙句、最終選考に残った人間の心境をお考え下さい。心の中が後悔と不安でいっぱいになりませんか?

 何を隠そう、私がその悪い実例そのものです。はーい、ここにいますよ♪ なんて陽気に言えたらいいのですが、実際はそんな訳もありません。

 もっとこう書いていれば、もっといい表現があるのに、この文章って意味伝わらなくない? なぜこの設定が説明されていないんだ? などなど。

 応募原稿を読み直しながら毎日頭を抱える日々は、結構辛いです。

 覆水盆に返らず。送った原稿は直す事は出来ないのです。しっかり書き込んだ上で送りましょう。

 編集者様からのお電話で、『いや~、内容はいいんですけどね。誤字脱字がちょっと多すぎるって編集部でも言われてまして』と聞かされた日には冷や汗ものです。実際、脇汗びっしょりでした。

 新人賞に応募するということは、誰かに読んでもらうために送るわけです。その心構えの下、しっかりとした原稿を送りましょう。

③ 一次選考で落ちても、凹まないほうが良い

 多くの新人賞では一次選考は鬼門とされている気がします。5割~9割の作品が一次で落ちる、なんてこともありますよね。

 特に30回を迎えた電撃大賞では、約96%が一次で落ちるという衝撃のスタートでした。通過作品数が190という数字を見た時には、正直震えたものです。

 ですが、一次で落ちてもあまり凹まないほうが良いと思います。なぜならば、前記した通り、私の受賞作は前回一次選考落ちだったからです。

 もちろん加筆はしていますが、おおよそ500文字程度。物語中盤の説明を付け加えた程度です。加筆によって一次を通過できる作品になった、という事ではない気がします。

 つまり、一次選考は比較される相手次第で落ちるものだと思うのです。サッカーワールドカップの予選リーグで、ブラジルとアルゼンチンとフランスが一緒になったら本戦にはいけないですよね。それと同じです。

 大賞を取るほどの作品であれば無敵なんでしょうけども、それはそれ。あまり自分の作品を買いかぶりすぎないほうが良いと思います。上には上がいますからね。

 かといって一次選考で落ちたから、作品を投げてしまうのはもったいない。修正して、使いまわしましょうよ。

 もしかすると、他の新人賞では光る星になれるかもしれません。

 

反省を踏まえての今後

 今回、第30回電撃大賞にて選考委員奨励賞という賞をいただくことになりました。公募勢としては、一歩前進です。

 公募勢に復帰して3年目。当初掲げていた「3年以内にプロ入りする」という目標を達成できたわけですが、ここで驕らず、兜の緒を締める気持ちで頑張ります。

 とは言いつつも、やはり選考通過者発表で名前を探す楽しさが忘れられない部分もあったりして。

 もしかしたら、どこかで私の名前を見かける時があるかもしれません。その時は、こいつ楽しんでるなぁと眺めてあげてください。

 また、順次作業の進んでいる今作が刊行されましたら、お手に取ってもらえると恐悦至極に存じます。

 今回の記事で、皆様の執筆ライフに少しでも糧になるものがありましたら嬉しいです。

 では、今回はこんなところで。
 次回があるかどうかは分かりませんが、また会いましょう。 


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