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トビタッテみた感想

こんにちは、アメリカ留学中のしがない大学生です。

2週間経って感じる、留学前とのギャップを書きます。

◇◇◇◇◇

「トビタテ留学JAPAN」を知っていますか。文部科学省による(たぶんもらえる額ナンバーワンの)奨学金制度のことです。
全国から留学したい高校生・大学生が、自分の留学計画をプレゼンし、審査に通ると、ずっと返さなくていい留学資金をもらえる素晴らしいプロジェクトです。
現在最終メンバー、12期生の募集をしているところだと思います。

私は去年応募したので10期でした。「トビタテ生」なのです。

2020年までに日本からの留学生を倍増するため、「トビタテ」は頑張っています。ちなみに文部科学省と言いましたが、「トビタテ」のお金は国からではなく、民間企業の寄付によって成り立っています。

詳しくはここ見てもらえればわかります。

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「トビタテ生」はどんな人が集まってるかというと、言ってしまえば、自他共に認める“意識高い系”です。
そりゃあ個人の留学に企業が数100万出資してくれるというのだから、意識高くないと通らないわけです。
明確なやりたいこと、なりたい姿、これからのビジョンがあり、日本に貢献する意志がある若者たちが集うわけです。おそろし〜。

私は社会貢献するキラキラした姿勢とやる気と計画があるかと聞かれると微妙ですが、デザインというめちゃくちゃ好きなことがあったため、その部分を盛りに盛り、審査を突破しました。

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実際出会った「トビタテ生」の留学計画はこんな感じでした。

先端医療を学んで癌治療の推進を〜
移民問題の残る途上国で子どもたちに教育を〜
食料廃棄問題を解決すべくそういう企業にインターンに〜
男性保育を増やすため、進んでる国に学びに〜
地域スポーツ振興のためにヨーロッパのやり方を学びに〜

みたいな!!本当に立派…。国に必要。

ちなみに私の留学計画は、
LGBTQ+やジェンダー問題など、今後絶対必要とされる「ダイバーシティ」について理解を深め、雑誌によってそれを日本に伝える。です。
なんで雑誌かって?私が好きな媒体だからです。

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そんな「トビタテ生」は厳しい一次審査・二次審査を抜けた後にも、壮行会や事前研修といった、意識高いイベントによって、さらにさらに鍛えさせられます。

「あなたは日本/世界のどういうところに問題を感じているの?」
「その問題にあなたのスキルや行動でどう解決していけると思うの?」
「足りない力をつけるために、留学先でどんな活動をどのくらいするの?」
「得た経験をどうやってアウトプットするの?」
「日本代表として見られるわけだけど、ちゃんと日本のこと知ってるの?」

えーー…等々、質問攻めにされ、2日間窓の無い部屋で講演・自己分析・グループディスカッションの嵐に合います。

これをやりきったものが見事、「トビタテ生」としてそれぞれの留学計画に基づいて留学先にトビタツわけです。

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なんだかドエライことのような気がしますよね。私も事前研修やりながらとんでもないところに来ちまったなと終始思っていました。成田空港でも「いやなんで私が留学することに?しかもトビタテ?」って思ってました。

・留学するからには、立派な人間にならなくてはいけない。

・留学するからには、毎日活動的でなくてはならない。

みたいなプレッシャーを留学前に感じていたからです。(トビタテ生のFacebookでの留学計画&現状報告ツイートが本当にキラキラしててすごいんです。)

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だがしかし。

ドキドキしながら留学してみて、
実際今、感じていることと言えば、

ただ、

ただ自分の生活がそこにもあった。

ってだけです。


カタコトの英語でなんとか大学の寮にたどり着き、ベッドに腰を下ろしても、
私に「さぁせっかくのアメリカだ!活動しろ!」という人はいないし、
翌朝目覚めても「君はトビタテ生としてちゃんとインターナショナルフレンズを作れるのかい?」と急かしてくる人もいない。

ただ普通に決められたオリエンテーションに参加し、授業を受けて、たまに友達と遊んで、日々ご飯を食べて、シャワーを浴びて、寝る。

そう、思ったより変わりませんでした。

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日本にいる時よりむしろ、肩の荷が下りた気さえします。

人間関係が一からやり直しになったことで、空気を読むことなく生きることができているような…。

具体的には、私は意識高い系やキラキラした人、素敵な人と話すのは好きですがずっと一緒だと疲れちゃいます。一人の時間が欲しい性質なのですが孤立しているように見られると恥ずかしい気がしていました。今は“外国人”だし、来たばっかなので当たり前のようにぼっち飯・ぼっち勉強です。楽しい。
パーリーピーポーのテンションについていけなくなった時はスッとその場を離れたり、参加を断ったり、カメラマンとしてあくまでも外から楽しんだり。自分のペースで日々を生きれてる気がします。

ここは更生施設か?

英語についての不安は、また今度詳細をnoteに書きますが、思ったより感じていません。
気候はさわやかだし、景色はいいし、建物は新しくて綺麗だし、関わる人は皆フレンドリーだし、日々なんだかのイベントがあるから一人でこもりすぎることもないし、日本のコミュニティもいくつかあるから気を抜くこともできる。

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そんなわけで、トビタテ10期生の私は、いわゆる「トビタテ」っぽくはない留学をしています。留学というか生活。いや休暇(((
こんな留学でもいいのかな〜まぁいっか〜、とゆるりと過ごす日々。

私にとって住む土地が変わっただけで、ここは元から人々の生活の場所だったんですもんね。当たり前ですよね。
ここは私にとっては留学先で、意欲的に活動すべき場かもしれないけれど、元から住んでた人からすれば、私にとっての日本と同じ、ただの生活の場。

勝手に勘違いしてただけで、留学って本来そういうものかもしれませんね。

私はそこで、今までとちょこっと違う生活を続けて、その中にある違和感や文化による“あたりまえ”の差に、繊細なセンサー張って気付いていけたらなと思います。


(2019/09/01)

P.S. そんな日々のくだないことから何から何まで全て呟くTwitterアカウントあります!よければ是非に!→@kaaagi_USU

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