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【魔法少女】【感想】アニメ『Yes!プリキュア5GoGo!』〜価値は自分でつけて育てるもの〜

こんにちは、唐梨です。
今日は『Yes!プリキュア5GoGo!』の感想について書こうと思います。
それでは早速いってみましょう。

※ネタバレを含むためご注意ください。

前作『Yes!プリキュア5!』の記事はこちらです。



『Yes!プリキュア5GoGo!』とは?

2008年2月〜2009年1月にかけて放送された、シリーズ第5作目。
チームとしては3代目にあたります。
前年には同じチームで『Yes!プリキュア5!』も放送されており、今回はその続編。
キュアローズガーデンをめぐって、エターナルに立ち向かう攻防を描いています。


そしてなんと2023年10月から、まさかまさかのオトナプリキュアとして続編の制作が決定!!!
15年の時を経てのリバイバル!!!
これを受けて、東映アニメーション様が太っ腹に『Yes!プリキュア5』『Yes!プリキュア5GoGo!』の全話を期間限定で無料配信してくださったたことから、今回の感想noteに至ったわけです。



価値は育てるもの

プリキュア5シリーズ共通のキーワードは「希望」「夢」。その中でも特に今作のキーワードは「薔薇」「種」「育てる」「価値」だと私は思っていて。

手塩にかけて育てた薔薇が咲き乱れる、フローラが管理するキュアローズガーデン。薔薇の種を運ぶことで命を世界中に届けるシロップ。種から青い薔薇を育てたことでミルキィローズに変身する力を手に入れたミルク。自分の中の可能性という種を育てて将来の夢に向かって努力するプリキュアたち。そして、彼女たちとは反対に、価値あるものを奪ってコレクションしていくエターナルの館長。

ここでポイントなのが、館長はあくまで既に完成されたものにしか価値を見出さないという点。完成された薔薇には価値を感じるけれど、薔薇の種は無価値だと切り捨てる。未完成ものを、自分が完成させて価値あるものにしようという発想はないのです。

だけど、本当は完成されたものには、誰かが完成させるまでの過程があって、その過程には想いや努力があります。それを無視して、一番おいしいところだけ奪っていくのが館長のコレクション行為なのです。フローラはそこを見抜いていて、キュアローズガーデンへの扉を閉ざし、それでも希望を託して館長に種を贈ったのでした。結局その真意は館長には届かなかったけれど。



価値は自分でつけるもの

当たり前ですが、完成されたものにしか価値を見出さないのは、館長の個人的な価値観でしかありません。ある人にとってはガラクタなものが、ある人にとってはお金を積んででも手に入れたい、ということは現実でもあります(昔のポケモンカードとかそうですよね)。価値観は人それぞれで全然良いですし、価値観は主観的で相対的なものです。ただ問題は、それを決めつけて押し付けることにあります。

ですが、プリキュアたちはこの価値の押しつけに真っ向から立ち向かいます。あなたにとってはくだらないかもしれないけれど、少なくとも私にとっては大切なこと、そう言い切るのです。

「存在価値」という言葉があるくらいだから、中でも特に自分の価値の有無は死活問題です。今回のキーキャラクターであるシロップが、初登場時に記憶をなくしていてアイデンティティに悩む描写があったことからも、それは窺えます。でも、ここでも新メンバーを受け入れるプリキュアたちのチーム力はすさまじく、その姿は自分の価値は自分でつけるんだ、と訴えているようで、胸が熱くなります。



登場人物語り

やっと語れる!!!前回の『Yes!プリキュア5!』の感想の時は、作品全体の魅力だけでかなりの文字数を使ってしまったので、こちらで2作通しての各キャラクターの印象を書かせていただきます。


夢原のぞみ/キュアドリーム

言わずもがな、カリスマ的魅力と圧倒的リーダーシップの主人公。

のぞみだけは前回の『Yes!プリキュア5!』の感想でだいぶ語ったので重複してしまいますが、仲間やチームのすばらしさを体現している生き証人。のぞみといると、どんな絶望も希望に変わるどん底でも、もう一度夢を描いてみようという気になれる。まさしく大いなる希望の力。


夏木りん/キュアルージュ

メインキャラクターの中で最もまともな常識人。

家事もできて家業の手伝いもできて面倒見もよくてデザインセンスもよくて運動神経もよくて、そして何より変身時の名乗り向上のとおり純情乙女!!!1番ボーイッシュなようで、実は1番女の子らしい。いろんな方が公式配信時のコメント欄に書いていて、本当にその通りだなと思ったのが、りんちゃんの良さは大人になってからの方が分かるということ。

幼少期の女の子は、目に見えて分かりやすい可愛さや、大人びたお姉さんっぽさの方がウケがいいので、どうしてもボーイッシュなキャラクターは二の次になりがち。ですが、社会人になって見返すりんちゃんの魅力の大きさよ。リアルな現実面に即して考えた時に、1番あこがれポイントを持っているのがりんちゃんではないでしょうか。


春日野うらら/キュアレモネード

時折見せるちょこっとのあざとさがありつつも、それがまた魅力的で、自分の見せ方をよく分かっているセルフプロデュース上手さん。何よりも頑張り屋さん。

うららのあざとさが嫌味にならず、むしろ魅力を増幅させているのは、根っこが強い芯を持った努力家だから。「ほら、私かわいいでしょ?だからちやほやしてよ」というような、可愛さに自惚れてあぐらをかくシーンは一度もありません。「自らの持って生まれた容姿をフル活用して、どうすればオーディションを勝ち抜いて、お客様に感動を与えられるか」を常に考えて高みを目指しています。

のぞみ大好きっ子なので、のぞみとのほほえましい掛け合いはもちろんのこと、こまちとの表現を仕事に目指す者同士だけが分かち合える真剣な掛け合いも好きですし、何よりシロップとの甘酸っぱい掛け合いも最高です。全編通じて、爽やかな青春のまっすぐさが魅力のキャラクターです。さすがは弾けるレモン。


秋元こまち/キュアミント

作中で私が1番好きなキャラクター。もともと私がグリーンヒロインに弱いというのもあるのですが、それを差し引きしても、こまちさん単体でとても魅力的。

おっとりしているように見えて自分の意見をしっかり持っているところとか(意外にキッパリしてそうなりんやかれんの方が感情が揺れ動きやすい)、ホラーや羊羹が好きな変人っぷりとか、締めるべきところは締められる潔さとか。我が道をゆくマイペースさと、周りとの協調性が両立しているのが、こまちさんのすごいところ。こまちさんが言うと角が立たないんですよね。作中で1番大人な人だなぁと思います。さすがは安らぎ。

安らぎつながりでいくと、こまちさんの安らぎって単に「癒し」だけじゃなくて、その場にこまちさんがいてくれるだけで物事を精神的に落ち着いて進められそうっていう「ゆとり」「安心感」の意味合いも強いんじゃないかなぁと思います。みんながパニックになったり、我先に意見を言いたいだけ言って相手を思いやる余裕がないときに、バシッと諫めるのは決まってこまちさんだから。ただのふわふわおっとり癒し系だけじゃない強さが、こまちさんの魅力なのです。

あとはもう、なんといってもナッツとの掛け合いですね!!!ココのぞが王道陽キャ同士(軽い表現ですみません)のまぶしいカップリングだとしたら、ナツこまは奥ゆかしく不器用ながらも互いを思いやるムズキュンカップリングって感じです。


水無月かれん/キュアアクア

勉強もスポーツも万能で、生徒会長で、超がつくほどのお嬢様で、学園みんなの憧れで…と作中で1番ハイスペックながら、実は作中で1番人間臭いであろう人。悩みの方向性が私たち視聴者に近いのです。

もともと誰よりも人間臭いのに、誰よりも人間離れして神格化された存在扱いされていて、プリキュアになり、のぞみたちと過ごしていく中で、徐々に本来の人間臭さを表に出せるようになった…という感じでしょうか。

我慢しようと思えばどこまでも我慢できてしまう。自分を押し殺して周りのために献身的になれてしまう。それ自体は、そうできてしまうだけの責任感や知性があってこそなので、とてもすごいこと。ですが、じゃあ誰がそれに気づいてくれるのか?気づかれない限り、ずっと今のまま我慢し続けるのか?そんな葛藤を抜け出し、一人で抱え込まず、仲間に頼ることを知ったのです。

物語初期はじいやとこまちしか真の理解者がいなかったのが、あんなに喧嘩していたりんちゃんとも抜群のコンビネーションを見せたり、ミルクから群を抜いて懐かれたりと、ある意味作中で1番成長した人物。他の4人は最初から将来の夢があったり、プリキュアに順応するのが早かったので。現実的に考えたら、そんな簡単に納得できないし戸惑うよね、っていうリアクションが多かったかれんさんは、やっぱり視聴者寄りのキャラクターだなぁと思います。


美々野くるみ/ミルキィローズ/ミルク

『Yes!プリキュア5!』では妖精ミルクとして、『Yes!プリキュア5GoGo!』では満を持しての人間化で美々野くるみとして、さらには変身してミルキィローズへ。鮮烈な印象を与えた登場シーンでした。さらに必殺技も超かっこいい。ほかのみんなの人気をかっさらえるくらい、かなりとてもおいしいポジションです。

ミルク時代は性悪な面が強調して描かれていたり、何かとトラブルメーカーでしたが、人間化してくるみになってからは持ち前のしたたかさが良い意味で出ており、とても頼もしく憎めないキャラクターでした。というか、単にミルク時代は自身の理想と実際の能力(人間界での妖精はほぼ無力なので)にギャップがあって、それがもどかしくて性悪に見えていただけなんじゃないかなと、くるみを見ていて思いました。ミルク時代から王子様のお世話役見習いに抜擢されているくらいですから、元々ハイスペックなはずなのです。それが人間化することで、妖精界だけでなく人間界でも同じように力を使えるようになったのではないでしょうか。

気が強くて、ふてこくて、野心的で、セルフイメージが高くて、適度にうぬぼれている。それでこそくるみ、それこそがくるみの魅力!!!くるみを見ていると、小さなことでうじうじジメジメ悩んでいる自分が馬鹿みたいに思えてきます。もっと自分を大事にしたいときに、くるみマインドはとってもおすすめです。

自分がハイスペックだからでしょうか、特に懐く人間も、ココやナッツやかれんなどハイスペックぞろいです。逆に、自分がハイスペックだからこそ、できない人の気持ちには寄り添えない節があるようで…何かとのぞみにあたることが多いのも、このへんが理由な気がします(笑)このあたり、自分ができない人だからこそ、同じ目線で教えられるのぞみと対照的でおもしろいですよね。

いずれにせよ、ミルクは本人が言っていた通り、いずれパルミエ王国の歴史に名を遺す立派な妖精になるんだろうな、と思います。



最後に

『Yes!プリキュア5!』に引き続き神作となった『Yes!プリキュア5GoGo!』。
『Yes!プリキュア5!』で既にチームワークの土台は完成されていましたが、そこに新たなキャラクターが入ることで、ますます魅力的な人間関係が織り成される多重構造が最高でした。
そんな第1話は東映アニメーション様が常に無料公開してくださっています。
ぜひ、ぜひ、ぜひご覧ください!


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唐梨
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