薪をくべ続ける
自分の心が死にそうな時期が4年半ほど続いて、最近ようやく落ち着いた気がしている。
そうなった原因は多々あるが、落ち込む出来事が続いた後コロナ禍に入ったことが決定打となり、こういう精神状態になった。
具体的に精神的な病になったわけではない。ただ、光に当たるのが辛い日や、意味もなく動機が止まらない日、息が苦しい日がたくさんあった。
そんな4年半だった。
20代前半の人生にとって大事な時期を、そんな風に過ごしてしまって後悔しているが、もうどうやっても帰ってこない。
ただ一方で、何とか地獄を耐え抜いた自分を褒めてあげたい気持ちもある。
ダラダラと生き、ただ目の前の現実から振りほどかれないようにしがみつくだけの日々だったが、自分の心に少しの薪をくべ続けた。
本当につらいとき、心の柔らかい部分を見せながら過ごせる何かが必要だと思う。
私にとってそれが、ラジオであり、音楽であり、本であり、旅だった。
現実から逃げながら戦い、ただ今を生きながらえる。
いつかこのトンネルを抜けるはずだと、もがく。もがく。もがく。
トンネルを抜けたきっかけは、失恋だった。
停滞して腐ってしまいそうな人生を、少しでも動かしたいと、恋人を作ろうと思った。
マッチングアプリを入れて、その人と出会い、好きになり、振られた。
沢山の話をして、自分が足りないと気づかされた。
そろそろ人生の本筋をがんばらないといけないと思えた。
傷つくことを覚悟で、後回ししてきたものたちと闘おうと思えた。
きっとあの日が今生の別れだったと思う。
それでも、もしまた会えたなら
「あなたに会えたおかげで変われたんだ、ありがとう」
と伝えたい。
それもこれも自分の心に薪をくべ続けたおかげなんだ。
いつかドアをあけ放つ勇気が見つかるその日まで、薪をくべることをやめてはいけない。
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