【連続note小説】日向食堂 小日向真司36歳
優子は小学校に通い出していた。
ある日、しょんぼりした様子で学校から帰ってきたので、あおいが理由を聞くと、真司が小さな定食屋であくせく働いていることでからかわれたらしい。
からかった相手は、皆お金持ちの家の子だった。
優子:「どうして私のお家は小さくて、お父さんのお仕事は定食屋さんなの」
あおい:「定食屋さんだって立派なお仕事よ。お父さんのこと嫌いなの」
優子:「そうじゃないけど、お父さんはいつも汚い割烹着を来てるもん」
あおいが何食わぬ顔で言うから、優子はあおいに噛みついた。
あおい:「あら、この前テレビで見た消防士さんはすすで真っ黒だったし、プロ野球選手もユニフォームがドロドロよ」
優子:「そんなんじゃないし」
あおい:「優子はクラスに好きな男の子がいるの?」
優子:「○○君が好き」
あおい:「○○君が外で遊んでて、服が泥だけになったら嫌いになるの?」
優子:「ならない」
あおい:「じゃ、なんでお父さんは嫌いになるの?」
優子:「・・・・・」
あおい:「なんで?」
優子:「お父さんのこと嫌いって言ってないし」
あおい:「じゃ、好きなんだ」
優子:「・・・・・」
<続く…>
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