【連続note小説】日向食堂 小日向真司33歳
「日向食堂」と名付けられた真司の定食屋は、なかなか繁盛しなかった。
しかしもう後には引けない。
諦めずに食らいつくしかなかった。
真司は毎日休まずに店を開いた。
ある日のこと、一人の男性客が店に入ってきた。
「いらっしゃい」
真司はいつもの通り客に声を掛けた。
「なんだ、声に気持ちがこもってないなあ」
不思議そうな顔をする真司にその客は言った。
「おれ、おれ、吉田、吉田浩二」
その客は、小学校の時にいじめから真司に助けてもらった吉田だった。
「おれ、今、料理人をやっているんだ。雑誌にもたまに出てるんだぜ」
「そうなのか、すごいじゃないか」
「店、流行ってないんだってなあ」
「あぁ、見ての通り、毎日閑古鳥が鳴いてるよ」
「この前、稲本がおれの所にひょっこり現れたんだ。
昔のこと、えらくおれに誤ってたよ。
それで稲本からからおまえを助けたやってくれった頼まれたんだ。
これから俺の店が終わったらここに来て、小日向に料理を教えるよ」
「本当かぁ!」
「もちろんさ、やっと小学校の時の恩を返せる」
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<続く…>
<前回のお話はこちら>
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