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【連続note小説】日向食堂 小日向真司33歳

「日向食堂」と名付けられた真司の定食屋は、なかなか繁盛しなかった。
しかしもう後には引けない。
諦めずに食らいつくしかなかった。
真司は毎日休まずに店を開いた。

ある日のこと、一人の男性客が店に入ってきた。
「いらっしゃい」
真司はいつもの通り客に声を掛けた。
「なんだ、声に気持ちがこもってないなあ」
不思議そうな顔をする真司にその客は言った。
「おれ、おれ、吉田、吉田浩二」
その客は、小学校の時にいじめから真司に助けてもらった吉田だった。

「おれ、今、料理人をやっているんだ。雑誌にもたまに出てるんだぜ」
「そうなのか、すごいじゃないか」
「店、流行ってないんだってなあ」
「あぁ、見ての通り、毎日閑古鳥が鳴いてるよ」
「この前、稲本がおれの所にひょっこり現れたんだ。
昔のこと、えらくおれに誤ってたよ。
それで稲本からからおまえを助けたやってくれった頼まれたんだ。
これから俺の店が終わったらここに来て、小日向に料理を教えるよ」
「本当かぁ!」
「もちろんさ、やっと小学校の時の恩を返せる」


▼関連エピソードはこちら


真司が生まれてから人生を全うするまでを連載小説として描いていきます。

<続く…>

<前回のお話はこちら>

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鈴々堂/rinrin_dou@昭真
小説を読んでいただきありがとうございます。鈴々堂プロジェクトに興味を持ってサポートいただけましたらうれしいです。夫婦で夢をかなえる一歩にしたいです。よろしくお願いします。