【短編】意味無しティー
「ミルクティーって美味しいなあ」
その一言に意味はない。午前四時、トイレから帰った私は部屋の中で立ったまま一言、そう呟いた。周囲に人がいれば、その一言は呟けない。“急に何を言い出したんだ、この他人は”としか思われない。生きていくというのは、そういうことだ。何事も常に周りに人がいる。周りの人達と関わっていかなければならない。生きていかなければならない。
それは、周囲に人の目があるからだ。自分は常に誰かの目に入る……そう考えながら気を使いながら生きていかないと、変な目で見られ