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『bees walker』自分でライナーノーツ

juvenile電化製品を名乗り音楽活動をしている梨皮ですが、先日カセットテープでアルバムをリリースいたしました。
ジャケットの主張するとおり、このアルバムはゲームのサントラめいた作品を目指し、作成しました。特に意識したのはスーパーファミコンの音像で、FFシリーズ(USA最高!)はもちろん、ゼルダの伝説(トライフォース難しかった……)や、ソウルブレイダー(ご存知の方いらっしゃいますか?)といったアクションRPGからの影響が強く出ている気がします。

ひろげるとこんな感じ。

ジャケットはCLIP STUDIOでつくりました。

裏側です。

ゲーム機の中身みたいなイメージ。

中のカセット。

カセット繋がりでファミコンっぽく。チープな白いプラスチックが童心を刺激します。

普段はiPadとSP-404mkⅡをメインに音楽をつくっていますが、90年代初頭の雰囲気を求め、キーボードを二台、シーケンサーを一台、新たに投入いたしました。

マイファミリー。

中でもTONEBANKのオルガンとQY10のドラムは欲しかった音色に近く、今後も多用する予定。実機とソフトシンセを混ぜたときのコントラストが楽しいです。ソフトシンセはDX7やシンクラビアの音色を好んで使っています。小室哲哉リスペクトです、はい。
曲は一度Logic Proで完成させたあとカセットMTRに入れ、再度Logic Proでマスタリングしました。カセットを通過するとサウンドがぐっとセクシーになります。

以下、曲ごとに解説いたします。

1.black night
キラーンと会社のロゴが現れたあと、平仮名ばかりの説明がはじまるオープニングを想起してください。一行目「はるかなむかし…」と出てきた瞬間、あなたは反射的にスタートボタンを押してしまう。そのせいで、次第に盛り上がってゆくBGMに気づくのは、遊び尽くしたあとだったりする。そんなあるあるを冒頭に置いてみました。
チープなツーバスはQY10を加工してつくりました。今後ヒロイックな音楽として、メタルの右に出るジャンルは出ないでしょうね。

2.CC city
TONEBANK大活躍の一曲。サンプリングしピッチを落とすことで、鍵盤にはない低音を出しています。安い機材でつくったナイン・インチ・ネイルズみたいで気に入っています。さながら機械仕掛けの魔都といった風情です。

3.fifth force
前半は80'sっぽいループ、後半はダークなシンセのフレーズ。カセットで聴きたいサウンドを求めてつくりました。

4.a bloken country
この曲は以前リリースしたEPからの再録となります。BPMも速くバトルシーンみたいな高揚感を演出しています。ギターとタムは学生時代に友人とつくった曲からサンプリングしました。

5.into the GEM hole
渦巻きに吸いこまれ、異世界にいってしまいました的な曲。ノスタルジックなトリップ感を味わっていただけたら幸いです。ピッチを落としデロデロになったドラムが気持ちいい……ですよね。

6.memory saver
A面最後の曲です。このアルバムをつくるにあたって最大の動機となったのが、dungeon synthというジャンルとの出会いなのですが、この曲は自分なりのdungeon synthに挑戦してみました。

少し脱線してdungeon synthについて少し。

その名のとおり、RPGゲームのサントラに漏れなく入っているであろう、怪しげな電子音楽を指すジャンルです。アートワークにこめられた美意識も大きな特徴といえましょう。カセットテープという媒体とも相性がよく、愛好家が世界各地にいるようです。梨皮もポルトガルの方から、ご連絡をいただきました。
下に私物の一部を紹介いたします。厳密にいうとburzumはblack metalに分類されますが、シンセを使い獄中でつくった『Hliđskjálf』(手前右)は、その嚆矢とされています。名作『Filosofem』(手前中央)もシンセの使い方が秀逸で、dark ambientとしても堪能できます。

主にTobira Records様で購入。

閑話休題。ここからB面になります!

7.south Tokyo
この曲も再録になります。リズムと声のエディットはcubaseでやりました。梨皮が育ったのは東京の南でした。ジャケットの風景も、その町です。オロチも沢山いました。

8.fact is dust
前の曲と同じコードからはじまるため、ちょっと繋がりがあるような印象で面白いです。この曲はiPadのGarageBandでつくりました。リンドラムも梨皮の大好物です。大好物といえば、ある女性むけ美容雑誌で「男の子の大好物ジューシーな背中をつくる!」みたいな見出しを見たことがあります。十年くらい昔の話ですが、いまだに梨皮は悩み続けています。ジューシーな背中?

9.endless password
チマチマとカーソルを動かしては、真剣にパスワードを入力していた幼き日の自分。おとなになってもパスワード地獄が待っていると教えたら、君はコントローラーを投げ、お外で遊んでくれただろうか。toejazzにインスパイアされた打ち込みボサノバを繰り返し聴いているだけで、寂寥感がやってきます。

10.carolina ripper
こちらも再録。singeliを目指したのに、なぜかgabberっぽくなりました。激辛チャレンジで口の中が大変なことになっているイメージです。梨皮は辛い食べ物が苦手なので、唐辛子の名前は悉く呪文のように感じられます。

11.swan dance
本アルバムの中で梨皮が一番気に入っている曲です。売れる曲はつくれませんが、この曲を店内で流せば、お客様の購買意欲を刺激する効果はあるのではなかろうかと思います。目指したのは第二の呼び込み君。店内BGMに使用したいというお店がありましたらご一報ください。→ゲームサントラ設定どこいった?

12.frying park
QY10だけでつくりました。この曲もお惣菜売り場なんかにピッタリです。

13.slow sleep
休息のような小品。

14.astlal traveler
歌ものとしてつくった曲のインストバージョンです。しんみりしたメロディは自分でも気に入っています。前述のソウルブレイダーにおける『恋人のいない夜』あるいはドラクエ2における『Love Song探して』みたいなノリで収録しました。ちなみに、歌ってくれる女性ボーカルの方、募集中です。

以上、完全に梨皮の趣味だけでできている作品ではありますが、少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。
カセットはbandcampの他、

でも販売中です。

その他、shibasaki mod様でも委託販売中でございます。

何卒よろしくお願いします🙇

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