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時代を超えたライブビューイング。映画【ボヘミアン・ラプゾディ】
まるで生のライブを観ているかのような臨場感。
それは決して、劇場の音質やスクリーンの話ではなく、この映画そのものがクイーンのライブステージだった。
映画【ボヘミアン・ラプソディ】(2018)
「伝説のチャンピオン」と呼ばれた男、フレディ・マーキュリー。
彼の自伝映画となる今作は、世界中の「クイーン」ファン待望の一作。
ごく普通の青年だったフレディの
バンドや、仲間、愛するひと、自分らしさに出会い、そして変化していく彼の生き様がドラマチックに描かれています。
あらすじはほとんど↑上記の通りなので、ストーリーが特別凝っているか?と言われたら頷くことはできません。
しかし、これはフレディ・マーキューリーという一人の男の生涯をリズミカルかつドラマチックに描いたドキュメンタリー映画に近いものだと、私は思います。
もちろん本人は出演もしていなければ、観客が観やすいように真実とは多少異なる脚色も加えられていると思います。
要は、「盛っている」という場面があるということ。
それでも、この映画にドキュメンタリー性を感じたのは
当時、映画タイトルにもなっている「ボヘミアン・ラプソディ」を音楽関係者や批評家たちから酷評を受けたという過去や
フレディ自身の、セクシュアリティへの葛藤。
そして、HIVによる肺炎と戦いながらも出演した伝説のステージ「ライブ・エイド」におけるフレディの生命力溢れるパフォーマンス。
それらのシーンはまるで生身のフレディを目の当たりにしているかのようであり、彼は最後まで『ロックスター』だったということを痛感させられる。
まあ、ぶっちゃけ「前歯…こんな出てたっけ?」とマーキュリーの再現ヘアメイクに少々悪意を感じましたが、それも含めで良いなあ〜と。
ほら。ちょっと強調しすぎ。映画だからこのぐらいがちょうど良いのか、わかりやすいし。
フレディ自身も、前歯に対してコンプレックスを持っていて唇や手で無意識に隠す仕草が多かったとか。
誰にでもコンプレックスはありますね。
彼は容姿以外にも、自分の性について大人になってから気付きかなり葛藤するんですね。
将来を誓った女性がいる傍ら、同性に惹かれていく、というのはどちらにも酷だったと思います。
性に関して話すと、この何年かで同性愛者やバイセクシュアルなどのLGBTについて大学の授業や観る映画、生の声だったりで触れて知る機会が多かったのですが
自分では、女・男を好きになる!って決められないんですよね。辺り前のことなんですけど。
気がついたら、目で追って胸がときめいて、考えてしまう。
恋も「この人を好きになる」と決めてするものでもないし。
その惹かれる相手が大半と違うだけで、社会から疎外される対象になってしまうのはなんて寂しいことだろう、と。
色んなリスクがある中で勇気を出してカミングアウトするのもなかなか出来ないと思うのに、フレディは恋人や仲間に打ち明け、最期まで自分らしく歌いあげる…
きっと、ステージに立つ人間はもちろん
フレディと同じように自分の性について考えた人には特に。
心の奥にぐっと刺さる映画、というか人生なのではないかと思います。
ラミ・マレック熱演でサイコーでしたよ…
エジプトの血が入っているので、エキゾチックな顔立ちでフレディとどことなく似た雰囲気があるんですよね。
映画「ナイトミュージアム」ではエジプト王の役をカッコよく、かつコミカルに演じていて面白いな〜なんて印象を受けた俳優さんでした。
裏話で元々は、フレディ・マーキュリー役にはベン・ウィショーが起用される予定だったみたいです。愛しの…Q…
何がどうしたらこんなに素晴らしい人間が完成されるんでしょうか?
たまりません。眼鏡もシャツもネクタイのカラーもなで肩もあふれ出る柔らかさもうねる無造作な髪もおでこのしわも肉眼で確認できるいくつかのほくろも素晴らしい。シマザキの基準では人間として100億点満点。
…すみません、封印していた私の中のオタクが暴走しました。
そんな大好きなベンウィショーですが、フレディ・マーキュリー役、と聞くといまいちピンとこないといいますか。
ベンウィショーは線が細く中性的なので、フレディとはちょっと違うかな〜…なんて想像してみたりしました。ダイスキですが。観たさありますが。
まあ、彼もゲイを公表しているので立場や境遇としては共感を得られたり彼なりの解釈なども出来たのでしょうが
雰囲気がばっちし合っているラミ・マレックが決まってよかったと思います。
まあ。余談含め色々と書きましたが
この映画の最大の魅力というのは、クイーンの名曲の数々を劇場で堪能できるということ!
もう、これに尽きます。
「We Will Rock You」をはじめ
「We Are the Champions」などが大スクリーンで、大音量で楽しめる。
クイーンを聴いたことのある人はもちろんのこと、音楽が好きならば是非一度公開されている間に劇場へ足を運んで欲しい。
私は、幼い頃に父が車内でかけていた60〜80年代のロックを聴いて育った子供なので、劇場で名曲たちを聴いた時になんだか懐かしさと幼少時代への恋しさを感じました。
(※劇中で使用されている音源の声は、フレディ本人のものではないのですが「フレディ・マーキュリーの生まれ変わり」と呼ばれている歌声がそっくりのシンガー、マーク・マーテルが歌っているようです。)
最期までロックスターとして生きた伝説フレディ・マーキュリー。
是非、彼の有志を劇場で。
では
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