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中学受験と予後



 今日は中受をした方がいいのか?いうことと、入試合格後のこと、そして見解を書かせていただきたいと思う。

 まず中受をした方がいいのか?という問いに対しては、"どちらかと言えば"した方がいいと私は答える。
 それは公立中がダメで、私立中が優れてるとかいう理由からではない。
 「何年か継続して同じことを密度を上げて訓練する」という経験ができる可能性があるから、賛成派なだけである。
 現代の子にとって良くも悪くも、強制されること・訓練する機会が減っている。よくわからないけど継続してやってみようという空気が社会全体として弱まっているので、子どもたちが厳しさを味わいながらも、密度を上げて何かに取り組める唯一の機会が、例外あれど、中学受験になっているなと思う。だから入試に落ちた子受かった子も両方、話を聞いていると濃い時間を過ごせたんだなぁと感じることが多い。落ちた子にもすごい頑張ったんやなといつも言っている。
 そういう経験があると中学でも強度の高いことに、取り組みやすいのかなと思う。あと、知識も結構ついているなと思う。


 次は、中学受験合格後のことを書く。
 まず、灘などのトップ私立中のことは除外して今から書くことを読んで欲しい。多くの中堅私立中は「塾がいりませんよ」という触れ込みで入学希望者を募っているようだが、これは現実としてはそうはいかないことが多い。課題をべらぼうに多く出して、結局課題を処理するために塾が必要になってきたり、定期試験でちゃんと点数とっていないと付属の大学にいけないから、結局塾で管理しなきゃいけなくなることもある。また、英検などの資格試験が必要になってきて結局、塾課金しなければ状況を打破できないケースがあるということをお伝えしたい。
 じゃあ、公立中学でよかったじゃないか、という人もいるだろう。現実そんなところもあって、あまりにも学校に縛り付けるようなタイプの私立中は、本人が適応できない場合、結局、高校受験をしなければいけないケースも出てくるし、とりわけ大学受験のことを考えると、自分の志望大学に受かるために無駄な勉強はどんどん切っていく必要があるのに、課題提出のためだけに無駄な時間と労力を浪費させられたり、共通試験が必要ないのに共通試験を最後の最後までゴリ押ししてくる学校の先生も少なくない。ここでは書けないけど多分、先生の出世に関わってくることもあるからだと思う。
 今、受験ルートが多様化しているので、あまり干渉的でない学校選び(公立含め)+自分の必要なことをやる塾の組み合わせがいいのかなと思っている次第である。
 だから公立中も使いようによっては悪くないですよ、と強く言いたいです。逆に私立中に受かって親子でてんやわんやするケースも少なくない。

 なので、中学受験すら成功すればあとはエスカレーター式で大丈夫という考えはほぼ持たない方がいいと思う。大学が附属でついてても。とりわけ、塾いらずというのは、神話と捉えておいた方がいいと思う。
 この状況に対して、塾をやってる私としては、ふざけんな、と思っている。体験・経験としての中学受験を肯定したものの、明らかに中受には費用がかかりすぎるし、塾いらずとか現実そうでもないのにそういう触れ込みをする私立中の先生にもいいかげんにしろよ、と思う。
 本当は知的な遊びとか教養に触れてもらう方が楽しくて塾をやっているし、そのためには基礎的な訓練は必要だけど、中学にあがっても高校にあがってもいつまでも勉強が資格とか進学とかのための処理課題にしかなってないと思う。しかも、それに伴い親が搾取されているのが腹が立つ。
 あと、推薦とか英検とか受験の仕方が多様化しすぎて、それは今までの一般入試一発ドン!のシステムより、橋渡しをするための多様化なんだろうけれど、どうやら、やることが多すぎて親も子どもも先生もてんやわんやしてる。今と過去と、どっちが良かったんだろう。でも、ここまで多様化してしまうと、自分たちで決めることは難しいし、客観的に見てアドバイスや情報をくれる機会がないと厳しいのではないか。結局、塾かい、となる。

 私の結論としては、ある程度小学生時代に密度の高い訓練をする→あまり干渉的でない学校+自分にあった塾が今のところ、ご家族にとってまだしんどくないかなと思っている。自分の子どもができたらそんなことやれるだろうか。全くできる自信がない。一応、そこらへんのことを総合してなるべく生徒さん本人が成長し、余計なお金をかけないようには提案したり対応しているつもりである。

 塾代助成にお金かけるんじゃなくて公立にお金をかけるべきですよ、それが一番の投資。



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