むかし好きだったもの。
いつか、好きだったものを数えて、いまでも好きなものをとりだす。
いまでは好きではないものと、いまも好きなものの違いを比べて、年月による自分の変化を実感しようとする。
未来の自分の変化を、私たちは軽く見積もっていて、現状維持のヨコヨコとしたグラフしかイメージしない。
けれど、過去から今の自分を眺めてみると、想像していたものとはずいぶん違っていて、一生好きだと思っていたはずのものが、どうでもいいいものになっている。
愛おしかったものを寂しさで眺める。
でもそれが悪いわけじゃない。
失われていくものに、鎮魂と祈りを。
失われたものは、失われたという事実とともに心に残り続ける。
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