エッセイ「徒然なる日々の瞬き」1.月
夜ベッドに横になると、カーテンの隙間から月が覗く。今夜はどんな光だろうと思いながら見ていると、それだけで数時間経っていることもある。そして気が付いたら眠りに落ちている。これが一番理想的な眠りのつき方。
雑音にまみれた一日を過ごした日は、どうしてもよく眠れなくなる。どんなに深い呼吸をしても、それはただのため息にしかならず、なんの効力も発揮しない。そんな夜、静かに隣に座っていてくれるのが、月。だからこそ彼には頭が上がらない。
ときどき、月の光に導かれるように夜道を散歩したくなる時がある。そんな時は、新しい服に着替えて可愛くメイクもして月とデートする気分で散歩に出かける。そうすると、日中とは違う自分になれる気がしてなんだかとても気持ちが落ち着く。素敵な顔を見せてくれた時には、そっとシャッターを切る。大切な友人とのデートの時間だから、静かに包み込むような気持ちを忘れずに。
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