エッセイ「徒然なる日々の瞬き」7.髪飾り
シュシュ。それは毎日の気分を高めてくれる、最高のアイテム。毎朝、今日はどれを付けて行こうかと棚の中を見つめる。昨日はこれを付けたし、その前はこれだったかな…やっぱり二日連続で同じものはなんだか違うし。毎度こんなことを考えている。
私服の高校に通っていた私は、あたりまえに毎日違うシュシュを付けて登校していた。ちなみに髪型は重めのぱっつん前髪にハーフアップ。これを我が家では「お嬢さんしばり」と言う。なんとなく、ハーフアップってお嬢様がしてるイメージがあるから、という単純な理由。だからこそより一層、毎日違うシュシュを付けたかった。だってそうしたら、本物のお嬢様みたいな気がしてくるでしょう?
そんなことをしているうちに、周囲からはだんだん「お嬢様みたいだね」という声が聞こえてくるようになる。もちろんシュシュだけが要因ではない。おそらく一番の理由は、ピアノをやっていたことだろう。けれど、その頃の私は“毎日違うシュシュを付ける”という行為そのものに優越感を覚えていたので、シュシュのおかげで本物のお嬢様気分を味わっていたのだ。
エッセイ「徒然なる日々の瞬き」マガジン
エッセイ「感覚」マガジン
人気のエッセイ「赤毛のアンのように、そして読書休暇を」
そのほかのエッセイはこちらから🌿