走ってきた道を振り返る
アニマルズというドラマで知ったこの曲。何度も何度も泣きながら聴いた。どんなに泣いても進むしかなかったから。立ち止まるわけにはいかなかったから。
汗と涙でメイクなんかボロボロになりながら無我夢中で走る主人公の姿に自分を重ね、毎日毎日同じ道で車を走らせた。
これまで欲しい物があれば全力で手に入れてきた方だと思う。
物欲ももちろんあるが、それ以上に人生において自分に必要だと心から感じるものは何年かけてでも努力を積み重ね、理想に近づいた。強く願ったからには!と願うほどに執念を燃やし続けてきた気がする。
周りの支えや理解のおかげもあり、なんだかんだ今までは報われてきた。と言える。
思った通りの結果になったことも、そうでなかったことも。今のわたしでいるために必要だったのだと知ることも含むのだけど。
その概念を打ち壊された気がした。
どうしても叶わないものがあるのだと知り、この経験に意味を見いだせない。光も何も見えない真っ暗な世界に長らく滞在していた。
この先に進めるのか。引き返したほうがいいのか。諦めればいいのか。それでも守らなければいけないものはなにか。堂々巡りの日々だった。
努力をしてないから結果が実らないのではない。
努力の仕方を間違えてはいけないのだ。
何度も自分に言い聞かせ、あれこれと考える角度を変えてみる。
周りから見たら迷走中。言ってることがしょっちゅう変わるな〜と思われるようなこともあったかもしれない。
けれど変わりつづけてやっと180°ほど回ったのだろうか。
やっと自分の体の違和感に素直になることができた。
4年前に娘を出産してから足の付根がずっとコリコリと痛んでいた。
何度か気になって眠れない日もあったはずなのに、朝になればケロッと忘れて放置し続けた小さな不調は、きっと体の血流をせき止める大きな障害になっていたのだろう。
とことん血液を流すトレーニングをした。
トップオブ三日坊主でも、これほど血眼の決戦を控えていればなんだってする。3ヶ月ほどかけて柔軟やスクワット。軽い筋トレを続けた結果。ようやく自分の身体にに生命を授かることができた。
足掛け2年7ヶ月。待望すぎるほど待望の授かりものだ。
先日、毎週・なんなら毎日通い続けた主治医に「大変だったけどがんばりましたね」「おめでとう」と言われた。お別れの日までその言葉を言ってくれないのだからニクイ。
結果がでないからって不信感をいだいた時期もあった。でもそれも乗り越えて信じ続けた人。毎日のように顔を合わせていた人に急に会えなくなるのはなんだかとてつもなく寂しい。素敵なアルバムをいただいて、最後は病院スタッフさん総出でニコニコ「よかったね」」と送り出していただいた。
(もちろん他の患者さんに配慮しながら)
それがあまりにも嬉しくて、寂しくて、更なる旅路の出発すぎて。ドラマの主人公のようで。涙が止まらなかった。
そのときにやっと感じたんだ。
この涙を流すために。
生命の尊さを本当の意味で知るために。
身体の声を聴いて自分を大切にしていくために。
信じ続けることを知るために、わたしはあの暗闇をさまよったのだと。
変わりたいと願うことがなにより自分を変える力なのだ。
こうなったから書けるけれど、やっぱり努力はきちんの自分の学びを生むのだ。そう信じていいし、そう納得しつづけていいと思っている。
きっとこれからの人生もまだまだ悩みが増えて、意地でも叶えてやる!でも簡単には達成できない目標とか試練とかに出会いつづけるのだろう。
渦中にいると冷静に周りが見えなくなってしまうことも多いけど、走り続けることをやめないでいたい。ただ前を向いて走れ 走れ走れ。
決心が世界を変える。
ほんちゃんとこの子を命をかけて守り抜く。
あたらしい世界へまた進む。