解除日以降のこと④
9月20日(火)
家族はそれぞれの場所へ。
娘を見送る時は、さすがにちょっとだけ寂しかった。
義母の透析の送迎スタッフさんと久しぶりに顔を合わせる。
「あなたがコロナに罹ったって聞いて、すごくびっくりしたんだよ。
玄関にも消毒置いてあるし、いつもきちんと対策してるって思ってたから」
はい、先の投稿にも書いたけれど、我が家の感染対策はなかなかバッチリだったと思っていた。
特に息子は家族の中でも一番しっかり守っていたと思う。
感染経路がまったく分からないまま、その息子が罹り、そして私ももれなく罹った。それだけ怖いウイルスだっていうことだろう。
「お義母さんにうつったら大変だから、家族全員死ぬ気で守りましたよ。
家族からコロナ患者出すなんてって、クリニックから散々怒られましたんでね」
スタッフさん苦笑い。そうだよ、お宅のクリニックはそんなカンジだよ。
朝のバタバタした時間が終わり、ひとりになって冷静になる。
明日からは仕事も始まる。ちゃんとしなくちゃ。しっかりしなくちゃ。
そう思えば思うほど苦しくなってきて、気づくと私は友人にLINEをしていた。
会いに来てください。
助けてください。
午前中のうちに、友人は家に来てくれた。
事情は逐一知ってくれていたので、感情のままにだ―――っとこれまでの騒動を話した。涙がとめどなく流れた。
「あのね。気持ちは分かるよ(彼女は罹患経験あり)。
ものすごく大変だったよね。
でもさ、自分を責めて何になるの?
敢えて言うよ。そんなに自分を責めんな!!!」
涙が一気に引っ込んだ。
仰る通り、過去を悔んだって自分を責めたって何にもならないじゃないか。
そんなシンプルなことに気づかないくらいに、私の心は疲弊しきっていたということか。
彼女の一喝で、我に返ることが出来た。
訳の分からないウイルスに心まで蝕まれてたまるもんか!!!
その時々で、私は、そして家族は一生懸命頑張った。
それでいいじゃないか。
命あっただけで。
こうやって叱ってくれる存在がいるって、すごく幸せなことじゃないの??
気持ちの浮き沈みがあったのは事実。
ここ数回の投稿なんて、後ろ向きすぎて見れたもんじゃないけれど、気持ちを切り替えたのも、苦しくて助けを求めたのも、どちらの私も本当の私だ。
それ以降は他愛もない話で笑い、気づけばお腹も空いて来た。
義母が透析から戻り、またあわただしいスケジュールをこなさなければならなくなったけれど。
そろそろ自分を大切にしようと思った。
コロナに罹ったというのに、自分を優先出来なかったあの時の分まで。
療養期間は終わったけれど、心の療養にはまだまだ時間がかかると思うし、腰だってまだまだ痛いし。
無理して笑うことなんてない。
義母関係のところに、必要以上に気を遣ってヘラヘラするのはもう止めようと思った。
私に優しくしてくれなかった人達に、敢えて優しくする必要はないと思った。
どう思われてるかなんて気にしなくていい。
自分をそこまで落とし込める必要などない。
「気の緩み」と言ったあの人にも、もう心を開かなくてもいい。
あくまで自分のところの患者が、利用者が大事なのは当然だと思うので。
これからは家族も自分達のことを大事にするよ。
だから何でも「家族が家族が」って言って来るのはもう止めてね。
私達家族は義母のためだけに生きてる訳じゃないので。
そんな決心をした一日。
寄り添ってくれた友人に、心からありがとうと言いたい。
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