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イタリア人を名乗る男にパスポートを盗まれそうになった話

この事件に巻き込まれたのは、イギリス旅行から帰国する日。
ロンドン中心部からガトウィック空港まで、
バスで向かう予定だったので、乗り場を探していた時に起きた事件だ。

今までいろんな国を旅してきたけど、
ロンドンって交通機関系結構難しいんだよね。
だからバス乗り場も全然見つからなくて、
辺りをキョロキョロ見回して探し回ってた。
すると、1人の男が話しかけてきたのだ。

👨🏻:イタリア人を名乗る男
👩🏻:私
👩🏻‍🦰:友達

👨🏻「何か探してるの?」
👩🏻「空港行きのバス停を探してるんだけど、見つからなくて」
👨🏻「僕が案内してあげるよ!」

この時は、なんて親切な人なんだ!
そう思って何も疑うことなく、彼について行った。

👨🏻「どこ出身なの?」
👩🏻「日本だよ!」
👨🏻〜スマホいじりながら〜
「日本いいね〜!僕はイタリア人で、
ここイギリスでシェフとして働いてるんだ!」
👩🏻「シェフなんだ凄いね!
イギリスに来てどれぐらいなの?
何年ぐらいシェフやってるの?」
👨🏻〜ずっとスマホ〜
「...um...」


普通に会話を楽しみたくて、色々聞いてみたけど、
彼はずっとスマホいじってて質問に答えてくれなかった。というか濁された。

そこら辺からか、なんだか胸騒ぎがした。
向かってる場所、絶対バス停じゃない!
人気のない住宅地に向かってるぞ、この男。
気がついた時には、閑散とした住宅街に連れ込ませていた。辺りは路駐車ばかり。

👩🏻「ねえ、なんかおかしくない?
変なとこ連れてかれてる気がする。」
👩🏻‍🦰「私も思った。どうしよう。。」

ここで逃げたとしても、
追いかけられたら間違いなく捕まるし、
助けを求められる人も歩いてない。
どうしよう。
私はこの時「殺されるか乱暴されるに違いない」
と、結構ガチで覚悟を決めてた。

しばらく男と距離を保ちながら歩いてると、

👨🏻「バス停この先にあるよ!まっすぐ行けば分かると思う!じゃあね!」

良かった。解放された。
足早に去ろうとすると、

👨🏻「ちょっと待って!間違えた!こっちじゃないかも!来て!」

また男がこっちに向かってきた。

👩🏻「オッケー。もう分かるから大丈夫」

足早に男の元を去ろうとしたその時、

👮🏻‍♂️「警察だ。パスポートを出せ」

この時、私はパニック状態で、
あ、警察が助けに来てくれたのか?
と、とんでもない勘違いをして、
パスポートを取り出そうとしてしまった。

👩🏻‍🦰「リノ!出しちゃダメ!!」

友達にそう叫ばれてハッとした。
あ、これ盗もうとしてるんだ。
やっと我に返って気づいて、とっさに逃げた。
幸い追いかけられることはなく、
無事バス停に辿り着き、日本に帰国できた。
しばらく手の震えが止まらなかったけど。。

友達がいなかったら私は間違いなく、パスポートを盗まれてた。
私はこの手法の盗難を知っていたのにも関わらず、危うく盗まれそうになってしまったのだ。
人はパニックになると、冷静な判断が何もできなくなるってことを身に染みて感じた日だった。


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