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大切な人が星になった話。

話すべきなのではないかも知れないが、今の感情をしっかり残しておいたい。
先月、大切な人が星になった。いまだに信じがたい。

彼は私の言葉が好きだといってくれる人だった。ロマンチストで男らしくいたいという願望の反面、そうなりきれずにウサギみたいな表情を見せる人だった。
「なんか冬って感じだね。」私が言ったこの言葉がお気に入りらしく、事あるごとに話してくる人だった。可愛い人だった。好きだった。

初めて会った日は本当に楽しくて、いくら話しても話した足りるとはなかった。急に星を見にいくことになり、暗い公園の真ん中で二人で星を見た。彼は星を見るためのプレイリストがあった。それをかけながら星を見ているとたくさんの流れ星、流星群の日だったのだ。

夢のために遠くへ行ったけど、せっかく遠くにいるのだから文通をしようと言い出したのは彼だった。そのくせ返事は遅かった。でもせっかくと言って楽しむ姿勢が良かった。でもそれぐらいの関係だった。気づかないふりをしていた。
彼の手紙には今の現状や最近嬉しかったことなど他愛もない文章が書かれていた。お互いしたいこと、やりたいことがあったからそれについても書いてあった。

返事が来ない日々が1ヶ月ほど続いた。
ある日帰ると、彼の母からの手紙だった。両親の話はよく聞いていたからすぐにわかった。嫌な予感がして手が震えた。震えて封筒がなかなか開けられなかった。
私は生まれて初めて崩れ落ち、熱い部屋の冷房もつけれず、ただただ汗をかいていた
。もう立っていられない、本当にクタッと力が抜けてしまった。

遠くに居ても、彼も頑張っているだろうなと心の中で思えることが私の中では大きかった。「次はいつ会えるかな、次会ったらお気に入りのセリフを言ってね。」そんな確信も何もない約束をしていた。同じ本を読んで、読み終わったらお互いどこが好きだったか話そう!それももう二度と叶わないということをひしひしと実感すると涙が溢れて止まらなかった。

本当はもっと話したかった、いろんなことについて話したかった。一緒にいろんなところへだって行きたかった。お互いの中間の土地で待ち合わせをする旅もしたかった。でも後悔はもう二度と晴れることはない。私の心の中で置いておこう。

きっと彼は私に教えてくれたのだろう。「またね」が確実に来る保証はないことを。生命には終わりがある事を。今を大切に生きることを。
会いたい人や伝えたいことがあるならば、すぐに会いに行き伝えるべきだということ。

好きだった。忘れたかった。だけどもう二度と忘れることは出来ないだろう。
それでもみんなの日常は進むし、私の生活も進んでゆく。
きっと彼の友人達も彼のことは忘れない、彼はみんなの中で生き続ける。
そんなことを思っていることをいまここに記します。

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