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人が行動に移す時
先日カウンセリングを受けて下さったクライエントからメッセージが届きました。今後やりたいこと、やっておきたいことを箇条書きにして送ってくれたのです。
そのメッセージの最後には
「なんだかワクワクしてきました」と書かれていました。
カウンセリングを受けた後「ワクワクする」これは何故か。
「行動したくなる」からです。
それでは「何故行動したくなるか」というと
①行動した結果、自分にとって価値あるものが手に入るという期待がもてるから。(結果期待)
②それが「私にもできそう!」と思えるから。(自己効力感)
この条件が2つ揃うと
人は行動に移すことができます。社会認知的キャリア理論によると、どちらかが欠けると人は行動に移すことはないとされています。
この理論に当てはめると➀は結果期待、②は自己効力感という言葉に置き換えることができます。
つまり、結果に対する期待を持つことができて、それが「私にもできそう!」と思えた時に人は目標設定をして行動することができる。ということです。
結果期待にも3種類あり、その3つとは
1)物理的な成果:給料が上がる、インセンティブがもらえる、表彰されるなどの目に見える成果。
2)自己評価的成果:自分が感じるやりがいや満足感。(「自分の価値観」が満たされ、やりがいを感じる。自分が思う成果を上げられて自信が得られるなど)
3)社会的成果:褒められる。地位が上がることによる周囲からの評価。
というものです。
カウンセリング中にクライエントがよく使う言葉のひとつに「評価されていない」「ちゃんと評価してもらいたい」というものがあります。
「評価してもらいたい」と思っている時「誰に何を評価してもらいたい」と思っているのか?ということと「自分は何が満たされると満足するのか」「誰の役に立ちたいと思っているのか」ということを一緒に考えなければ「評価されたい」欲求はなくなることはありません。上記の2)と3)をセットで考えてみるということです。
「評価されたい」と言っているわりに、「誰に何を評価してもらいたいのか」「何が満たされると満足するのか」ということが自分でもよく分かっていない人が多いのです。それでは、いつまで経っても「評価されたい」欲求は満たされるはずもありません。
キャリアカウンセリングを受けに来られる方の多くが「何をしたらいいか分からない」「私には無理。できない」という状況に陥っているのですが
たとえそれが「今すぐできない」ことだとしても
「やってみたい」ということがみつかり、それが「私にもできそうだ」と思えるようになると、人はそこに向かって行動しようと思えるようになるのです。
そして人には「誰かの役に立ちたい」という欲求があります。
自分の「やりたいこと」や「出来ること」で
「こういう人たちの役に立つことが出来る!」ということが明確になると
もっとモチベーションは上がります。
自分のためだけではなく、誰かを思うからこそがんばれるのですね。
人が行動に移す時は「結果期待に対して“それは私にもできそう!”と思えた時」そしてそこに「誰かの役に立てる!」ということがプラスされると、更に行動が強化されるということです。
研修やセミナー、講演会などに参加した直後はやる気に満ち溢れているのに、数日経つと、結局何もできない・・・という場合、ここに落とし込めていないことがほとんどです。受講後熱が冷めた時に「やっぱり私には無理」と思ってしまうからです。「私にもできそう!」というところに落とし込むことが大事です。自分だけでは考えがまとまらない時には、周囲の人に相談したり、キャリアカウンセリングを受けることをお勧めします!