「箸しか持ったことがない手」とバカにされた過去
突然ですが、私は自分の手が好きだ。
骨太ではあるが、細くて長めの指が好きだ。
「あんたの手は箸しか持ったことのない手だ。苦労を知らないねぇ~。」
小さい頃から、母親にはそう言われ続けてきた。
大人になった今思うと、多分あれは女としての嫉妬だったのかな~と思う。
母の手は、ゴツゴツしていて指が太くて短かった。
ちなみに、私はそれを馬鹿にしたことはない。
かくいう母は、重労働をしていたかと言うと、そういう訳でもない。
母は家事は完璧にこなしていた。
料理洗濯掃除買い物…ご飯は美味しくない時もあったけど、母親としてはほぼ完璧にこなしていた。
でも、母が箸より重いものを持ったことがあるケースは、買い物で牛乳パックや液体調味料を買って帰る時くらいだ。
たったそれくらいだ、と言うと「家事をバカにするな、大変なんだぞ!」と思われるかもしれないけれど、私がこう言いたくなる理由はちゃんとある。
私も、母親と買い物に行く時は率先して重い袋を持っていたし、オシャレなタイプではないので、2リットル入ったお茶をカバンに詰めて学校に毎日通うような子供だったからだ。
要は、私だって箸より重いものを持ったことがあるのに、生ぬるいなぁお前は、と言う非難は心外なのだ。
手だけじゃない。
母は色んな角度で私を非難してきた。
弟2人の方が可愛い、お前は女の癖に不細工だ。
細い髪の毛で汚らしい。
声が籠って何言ってるか分からない。
こういうことを何度も刷り込まれてきた。
外見と髪の毛と声は未だにコンプレックスだ。
まんまと母親の洗脳に取り憑かれてしまっている自分が悔しい。
でも、バカにされ続けはしたものの、唯一手だけは自分でも綺麗で細くて好きだなぁと思える。
箸より重いものはもったことがないだって?
この手は何度も買い物で重い荷物を持ったことだってある。
引越で家具を一人で分解するくらいの力だってある。
家の電子ピアノだって、重かったけど一人で分解組立をやった。
ピアノだって弾ける。
私はこの手が好きだ。
ここだけはずっと好きでい続けよう。
そう思いながら、今日もハンドクリームをぬりぬり(^-^)