リングスケア®️で輝きを取り戻した92歳女性
こんにちは。リングスケア®セラピストの上野榛華です。今日は、私が担当するS様(92歳・女性)との素敵なエピソードをお話しします。
S様は終末期を迎えられており、「何かできることはないか」という施設スタッフの思いから、リングスケア®️を受けることになりました。
初めての出会い
初めてS様にお会いしたとき、彼女はリクライニング車椅子に座り、リビングで静かに過ごしていました。呼びかけても反応はなく、目を閉じている姿が印象的でした。スタッフの話では、「言葉でのコミュニケーションは難しいけれど、表情から気持ちを汲み取れる」とのことでした。S様は普段もこんな感じなのだろうかと思いつつ、ケアのために居室へ移動しました。
最初のケア:清潔にすることの大切さ
居室で改めてS様のお顔を見ると、肌は乾燥し、目やにや鼻の汚れが目立ちました。この状態では、S様の表情を読み取るのが難しいと感じました。そこで、ホットタオルでお顔全体を優しく拭き、目やにや鼻の汚れを丁寧に取り除きました。すると、S様の目がぱちぱちと動き、うっすらと開眼しました。眠っているかのように見えたS様が、まるで目を覚ましたかのように感じました。
整容の大切さを実感
顔を綺麗に拭くだけで、これほど表情が変わるとは驚きでした。S様にとって、お顔は言葉以上に自分の気持ちや意志を伝える重要な部分です。だからこそ、お顔の清潔を保つことが、S様が自分を最大限に表現できる手助けになるのだと感じました。
隠された力と輝き
次に、綺麗になったお肌にお化粧を施しました。耳元で「これからお化粧をしますよ、眉を描きますね」など一つ一つ伝えながら進めると、S様の目がさらに大きく開き、セラピストの私ともアイコンタクトができるようになりました。そして、「自分のお顔、見えますか?」と鏡を見せると、鏡に映る自分の姿をじっと見つめ、強く頷かれました。その瞬間、S様は耳が聞こえ、言葉を理解し、自分自身をしっかり認識していることが明らかになったのです。
「良かった、ありがとうございます」
お化粧を終え、「お顔が綺麗に整いましたね、スッキリしましたね」と伝えると、S様は小さな声で「良かった、ありがとうございます」と言いました。これまでは頷きやアイコンタクトでしかコミュニケーションが取れなかったS様が、自ら声を振り絞って伝えてくれた言葉に、私は深い感動と喜びを感じました。
「良かった」という言葉の裏にどんな思いがあったのか、明確には分かりませんが、S様の安堵されたような表情にその言葉の重みを感じました。キレイに整えるということは、人の尊厳に関わる大切なことなのだと改めて実感しました。
周囲の反応と広がるぬくもりの輪
ケアが終わりデイルームに行くと、現場の介護スタッフも「素敵になりましたね」「綺麗なS様を見られて嬉しいです」と笑顔で声をかけてくれました。その言葉に、S様は一生懸命に反応されました。定期的に訪問し、穏やかな時間を届けるだけでなく、こうしたスタッフの温かい言葉が、S様の日常を彩り豊かにする力になると感じました。リングスケアを通じて、S様とスタッフとのコミュニケーションが活性化され、最期まで温もりある環境で過ごしていただきたいと思っています。
これからも続くケアの旅
外見を整えることだけでなく、優しく触れ、声をかけ、反応を観察しながら一人ひとりのコンフォート(快)を見極める。このプロセスを通じて、S様の心の変化を引き出すことがリングスケア®️の力です。まだ見ぬS様の新たな姿に出会い、最期まで心豊かに過ごせるよう、これからもリングスケア®️を続けていきたいと思っています。
読んでくださり、ありがとうございました。
株式会社RingsCareは首都圏を中心に高齢者を対象とした訪問型化粧・整容ケアサービス(Rings Care®︎)を提供しています。大切な方に喜んでもらいたいという家族様やリングスケアに関心がある施設様はお気軽にお問い合わせください。
2024年6月24日に自社セミナー『ケアとしての美容とは?』を行います。ぜひ一度、看護学に基づく化粧・整容ケアの力を聞きにきてください。
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