見出し画像

辰吉、マックロー、バレラの左アッパー

僕は結果として三流ボクサーとしてキャリアを終えましたが、アメリカ、メキシコ、タイ、ドイツで活動することができた為、日本では中々経験出来なかったであろうことを様々経験することが出来ました。
その一つが、多くの現・元・後の世界チャンピオンとスパーリング出来たことです。

名前をあげると、越本隆志、渡辺二郎、クラレンスアダムス、辰吉丈一郎、ウェインマックロー、グティエスパダスJr.、ラファエルマルケス、ビクトルラバナレス、エンリケサンチェス、マルコアントニオバレラ、フレディーノーウッドと言ったところでしょうか(以上は日本での経験も含みます。渡辺二郎やエンリケサンチェスについては忘れていたので、もしかすると他にもいたかも知れません。ちなみに越本さんはジムの先輩です)。

ボクシングファンが興味を持つであろう話題としては、やはり「誰のパンチ力が一番強かったか?」ということでしょうか?
それについては考える間も無くフレディーノーウッドの名前が挙げることが出来ます。
彼がダントツでした。
スパーリングの際に僕の胸に頭を押し当て、ドカンドカンと同じリズムでボディーフックを打ってきたのですが、単調なリズムでさすがに全てブロック出来ていたにも関わらず動けなくなり、それ以上の対処が出来ない程でした。

さて、今回は「左アッパー」というタイトルを付けましたが、スパーリングを経験した世界チャンピオンの中から辰吉選手、マックロー、バレラ、それぞれの左アッパーのボディーブロー、そこに至るまでの、あるいはそこからの変化、展開、フェイント技術などについてそれぞれの試合動画を交えながら解説したいと思います。
特に、最後に紹介するマルコアントニオバレラの左ボディーブローは難しい技術ではありますが、相手にとってとても避けがたいコンビネーションブローと言えるでしょう。

「タイミング、フォームの分割」からその練習の項では、単に左ボディー、アッパーという技術の枠を超えた解説、技術の紹介になります。

辰吉丈一郎の左ボディーアッパー

ここから先は

5,895字

¥ 200

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?