神様になったおばーと家族の物語
皆が静かにうちかび(先祖供養に用いる冥途の紙幣)を燃やす炎を見ている。一人一人に手渡される線香を両手で受け取り額の高さまで持ち上げて祈りを込める。小さい子供から最高齢の84歳のおじ、立昇まで皆、同じ仕草で先祖に手を合わす。うちかびが全て燃えた後のボウルに、お供えのご馳走とお酒を入れ、そこにお茶を少しずつ注いでいく。最後におじ・立昇の長男の“りん”の音で皆が仏壇に向かい手を合わせる。
賑やかな我が家が静謐に包まれる。厳かで大切な、この行事は彼岸とお盆に行われ、私がまだ幼いころか