CADの授業でこころがけていること
3DーCADでのモデリング方法を、授業で教えています。
使っているのはAutodesk社のFUSIONという3D-CADです。
ついこの前まで「FUSION360」という名前でしたが、気づいたらただの「FUSION」になっていました。
CADは Computer Aided Design (コンピュータ支援設定)という言葉ののイニシャルからCADと呼んでいます。
CADを大きく2つにわけると
2D-CAD
3D-CAD
この2種類です。
2Dは、日本語だと2次元という意味で、横がX 縦がYの2つの軸で表される範囲の中に絵を描くイメージです。
紙に絵を描くような感じです。
3Dは、日本語だと3次元という意味で、2次元のX,Yに加えてZの方向が加わります。
縦-横-高さ
縦-横-奥行き で表される立体をつくるイメージです。
2D-CADは、紙に絵を描くことだとしたら、3D-CADは粘土で形を作るようなイメージです。
数十年前に比べ、今はテレビやパソコンの画面に立体的な表現があっても、まったく違和感が無いですが、私がCADを使い始めた頃は、立体的表現はすごい技術みたいなことだったと記憶しています。
今みたいに3Dのゲームもほとんど無かったし、ドラクエだって平面でした。
小さいころから身の回りにパソコンがあって、デジタルで立体が表示されていることに何も違和感を感じないような今の世代の方々は、わりと簡単に3DーCADを使いこなしてしまうことが多いです。
とはいえ、「使っていたらなんとなく使えるようになった」という感覚の内容でしたらわざわざ授業でやる必要もないわけですので、そこはそれなりの工夫が必要です。それについては、おいおい記事にしたいと考えています。
さて、私が受け持つ3D-CADの授業には、いろいろなタイプの学生がいます。
「CADをどうしても習得したい」という意欲的な学生
「興味ないけどカリキュラムにあるからやっている」という学生
「興味あるけど、難しくてついていくのがたいへん」という学生
「まったく興味がありません」という学生
などなど。
意欲的な学生は、放っておいてもどんどん習得してしまいます。
それ以外の学生には、どうしたらCADを楽しいと感じてもらえるかを考えた授業をこころがけています。
楽しいとどんどん覚えたくなるし、覚えたらもっと楽しくなる、そんなループに巻き込んでいければ最高です。
まったく興味の無い学生に対して、どうやったら興味を持ってもらえるかというのが一番難しいところです。
興味のない学生なんて放っておけば良い!って思われるかもしれませんが、せっかく授業を受けているんだから少しでも楽しむ方向に持っていきたいなと、つい思ってしまうのです。
もしかして、この授業がきっかけてCADを好きになってくれたらうれしいな。
資格や就職のために嫌々やるのではなくて、楽しいからやるっていう気持ちになってくれたら良いな。
CADを使って、その先にある何かを作るってことを楽しんでもらえるようになったら良いな。
そんな授業を心がけています。
1年前は全くCADに興味が無くて授業中も眠っていたある学生は
2年生になったら急にスイッチが入り、資格をとりたいって言ってきました。
そして、寝ていた時間を取り戻すように集中して実習に取り組みました。
みるみるうちに操作を覚えて、
最近、製造業の会社に就職が決まりました。
CADが決め手で内定をもらえたわけではないかもしれないけれど
あの時、「この子はやる気が無いからどうでもいい」って思わなくて良かったです。
製造業で働くのだったら図面が読めることは絶対役に立つ時が来るから、3Dの立体の形を頭の中で作れることが絶対役に立つよと言い続けてよかったなと本当に思いました。
私からのアドバイスが直接内定に結びついたわけではないかもしれませんが、もしかしたら少しだけでも力になっていたのかもしれないと前向きに考えて、これからもやっていきたいです。