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プロトテアトルに入団します

なぜ、あのようなコメントを出したのか?

プロトテアトルへの入団、発表されました。現在のプロフィール写真はアインシュタインみたいだと言われてます。

なぜ、あのようなコメントを出したのかというと、まず第一に劇作家ならおもしろい文章を書けずにおもしろい作品がつくれるはずないと思っているからです。

また、僕はサッカーが好きなのですが、移籍が日常茶飯事の世界において選手たちは入団や退団の際に毎回コメントを出します。
もちろん、シンプルで無難なコメントを出す選手がほとんどで、それはそれで悪くないのですけれど、何年も同じクラブを応援してきてわかったのは、人の心に響くのはたとえ拙くても“自分の言葉”で綴っている文章だということ。

当たり前といえば当たり前の事実でしょうが、僕はこれを理解してから無難な文章はやめようと思いました。
果たして誰かの心に届いているのか……それはわかりませんけど、数少ない作・演出を担当した公演でも当日パンフレットにはなるべく力を入れています。

前置きが長くなりました。以下がそのコメントになります。
劇団の公式ホームページへのリンクも貼っておきますので、よろしければ他のお二方のプロフィールなども読んで、プロトテアトル全員を応援していただけるとうれしいです。

プロトテアトル入団コメント

ペレイラくんはライバルでした。いいえ、嘘。一度もそう考えたことはありません。
少なくとも僕は、掲げる志の近い同志のような存在だと思っていました。
ところが、彼からすると「ライバル意識を感じた」とのことで、いたく反省した次第です。

ペレイラくんと僕は、近畿大学舞台芸術専攻時代の同期で、当時は二人ともそれぞれ劇団を立ち上げ活動しており、結果として卒業公演の作・演出の座を争うポジションだったため、目に見えない「壁」は確かにあったと思います。
僕としても、彼から「ライバル意識」を感じることはありつつ、それが良い刺激にもなっていました。
最終的には僕が体調不良で留年と脱落する形になったものの、ペレイラくんが無事に卒公をやり遂げてくれて、ホッとしたのを覚えています。
その後、彼が劇団運営をがんばって着実に実績を積み上げてきたのは、皆さんもご存じのとおりです。

昨年、僕が演劇活動を再開すると決めたとき、真っ先に声をかけた同期がペレイラくんでした。
「稽古場を見学させてほしい」とお願いすると、快く承諾してくれ、とてもうれしかったです。
それから偶然も重なり、一緒にオンラインでゲームをして遊ぶ仲になるのですが、いつの間にか演出部として参加する方向で話が進み、そうこうしているうちにある日、彼の口から出た言葉に僕は驚きを隠せませんでした。

「プロトテアトルに入ったらどう?」

でも、迷いはなかったです。
ペレイラくんの語る「プロトテアトルを単なる劇団ではなく、さまざまな人たちと作品をつくる“劇場”にしたい」というビジョンには賛同する部分が大きく、くわえて「伊藤くんの戯曲も上演したい」などと言ってもらえたことにも、感銘を受けました。

今は「どうやったらこの劇団の力になれるだろう」と考えながら、未来に向けての緊張感と高揚感で走りだしそうな気持ちです。
このさき、楽しいときも、苦しいときもあるでしょうが、その時々で精いっぱいやれることをやって、みんなと共に歩んでいきたいと思います。

最後に。
こんな僕を歓迎してくださった豊島くんと小島くん、そして有川さん。
さらにはご縁を繋げてくれた友人の浜田くんをはじめとするまわりの方々にも感謝の意を表して、入団のご挨拶とさせていただきます。

伊藤芳樹

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