保険の営業で心が折れた話④
そうこうしている内に、今思えばちょっとおかしくなっていたかもしれません。
お客さんに契約していただけても素直に喜べなくなっていました。
ノルマを達成するために会社が売りたいものを売っているんじゃないかと。
そう仕向けていることが悪いことに思えてきた。
ちがうよ。
だって営業ってそういうものだ。
なーんにもおかしくない。
私がやらなきゃいけない仕事だから。
自分がやりたくないことでも会社の為にやる。
社会人として当たり前のこと。
だんだん、この気持ちに折り合いがつかなくなってきていました。
私が数字ができないことを直接責める人は近くにはいなくて(きっとえらい人は思ってたけど)
寧ろ、励ましてくれていました。
それなのに、どんどん苦しくなりました。
車でお客さんの家に行くときになぜか涙が溢れる。
悲しくないのに。
「大丈夫、頑張れ、頑張れ」って唱えながら運転することが増えた。
人前で泣くことはそうそうなかったのに、優しい言葉をかけてもらえると涙が止まらなくなる。
何度社内で泣いてしまったんだろう。
「このまま交通事故にあえば1ヶ月くらいは入院して仕事に行かなくてもいいかな」
「誰か生きたい人がいれば、変わってあげたい」
無意識にそんなことを思うようになって。
数字をとれない私が、職場で笑って話をすることも許されない気がして。
生理も止まってしまった。
私は甘えてる。
なんでみんなみたいに出来ないんだろう。
悲しい。情けない。
この感情がお休みの日もずっと離れることがありませんでした。
⑤に続く
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