もろくていい
夫が疲れていた。
相変わらず忙しいのは変わらない。
彼が忙しくない時は見たことがないかもしれない。
常にパンパンなのも伝わってくる。
夕方、ため息をついて、
すごく疲れた顔して、
外へ出ていこうとした。
子供たちが、
「おとーさーんどこいくのー?」
と大きな声で聞くと、
「遠くに行ってくる」
と、小さな声で返ってきた。
こういうとき、胸がぎゅっとなる。。
わたしは、
「わかった、運転気をつけてね。いってらっしゃい。」
くらいしか言えない。
今までだって、
「あ、やばそう… 」
「ちょっと様子が変だな…」
「目が虚ろだな… 」
ってことは何度もあった。
わたしは仕事に関しては、
直接なにもサポートすることはできない…
こんなときにはいつも無力感に襲われる…
ただ、救いなのはため息をしっかりついてくれること。ため息は身体の大切な機能だ。出すことでバランスをとろうとしてくれている。
そのまま仕事をし続けるのではなく、仕事から離れて時間を取ろうとしてくれるのもちょっとは安心する。。
そして、わたしは心が落ち着かないまま「帰ってきますように…大丈夫、大丈夫…」と願いながら、子供たちと夕飯をする。
子供たちの顔を見ながら、
今までだったら強がっていたかもしれない。
子供たちには心配かけないようにしなきゃ、とか、悟られないようにしなきゃ、とか。
でも、今は、
「お父さん、疲れてたね。
一人でどっか行っちゃったね。
お仕事、大変なのかもしれないね。
お母さん、ちょっと心配だな。。
少し元気になって帰ってくるといいね。」
と、素直に子供たちに話すようになった。
すると、息子が、
「帰ってくるまでにカエデちゃん(妹)と布団敷いておくよ!そしたら帰ってきたらすぐ寝れるじゃん!」
と、妹と顔を合わせ、妹もウンウンとうなずく。
そんな二人の力強さにわたしは支えられている。
お母さんは、もろい。
もろくていい。
お母さんだからって、
奮い立たせて、強がって、
常に笑顔で振る舞わなくていい。
同じ人間だから。
お父さんだって、もろくていい。
そんな風にため息や表情でちゃんと表現してくれること、弱さを見せてくれること、支え合いたいって思わせてくれることってギフトだなって。
(本人は本当は見せたくないのかもしれないけれどね)
そして、帰ってきた。
こういう辛いときって、
家に帰ることが重く感じるときもあると思う。
家族が待っているというのが、
力になる日もあれば、
プレッシャーになる日だってあると思う。
それでも帰ってきてくれることに、
ほんとうにほんとうに感謝である。
息子は慌てて布団を敷きにいって、
娘はすっかり布団のことは忘れて、
「おとーしゃーん!」
と遊んでもらおうと脚にしがみついて、
わたしは、
「あぁーーーーおかえりーーー。。。」
と背中をさする。
それぞれがそれぞれのできることをして、
支え合う、助け合う、癒しを循環する。
【家族って一番小さなコミュニティ】
だよなぁって。
そんな風に心が揺さぶられ、
家族愛を感じられる出来事に感謝。
では、今日も湧き起こってくるどんな感情も
大切に味わうハートフルな一日を♡
また明日ココで♡