息子の全力を見た話。
4連休、我が家も今年初の家族旅行に繰り出した。
片道2時間の1泊旅行。
目的地は富士五湖周辺。
あいにくの曇天からの雨天だったが、久しぶりの解放感と、旅してるぞ感で大いに満足だった。
この旅の行程をいろいろと文章に残そうと思っていたのだが、
思ってもいないところに旅のクライマックスがあった。
2歳目前の息子は、今回の旅行でたくさんの刺激を受けていた。
川底まで見えるきれいな川に入りたいと駄々をこねて大泣きし、
旅芸人が連れていた猿の脅威のジャンプ力に感動し人一倍の拍手をした。
旅館の従業員さん全員にバイバイをして、愛想を振りまき、
かわいい子供浴衣姿に親たちを悶絶させ、
ほうとうをこれでもかと平らげ、
「ふぅさん」と富士山が言えるようになった。
たくさんいい思い出ができたけれど、息子のこの旅一番のテンションは、「和太鼓演奏」だった。
旅館のサービスで夜に行われる和太鼓ショー。
間近できく和太鼓の演奏は体の芯にひびくようで、豪快な音がとても気持ち良かった。大人たちは皆静かに演奏を聴き、その迫力に圧倒されていた。
すごいね、かっこいいねと息子に話しかけると、ただただじっと舞台を見据え、聞いている息子。
あまりにその顔が険しかったので、
大きな音が怖かったかなと思っていた矢先、
突然息子は
全力で踊りだした。
私が今まで見てきた中でも、これはもう、本当に全力。
両手を上げ下げしてるのだが、このスピードが尋常じゃない。
カメラに収めようにも腕が撮れない速さ。
足もばたつかせ、もう踊り狂っている。
ひたすらものすごい笑顔で全力で踊る息子。
そして、それが太鼓のリズムになんとも絶妙に乗っている。
正直、ちょっと何か乗り移ったの?というくらい一心不乱。
何かの宗教行事のような。
ものすごいエネルギーを使うのか、たまにふっと止まる。
だがそのあとすぐにまた全力踊りが始まる。
もう誰も止められない。
大人たちが静かに聞いている中で、全力で踊り続ける息子。
しかしよく見ると、他にも2、3人踊り狂う幼児たちが…!
何なの?和太鼓すごくない?
そして曲が終わると息子も止まり、拍手を送る。
これが、私たちが聞いた3曲ずっと続きました。
本当に大興奮という言葉がこれほど似あう状況ははじめてだ。
楽しいと思った音楽を聴くと人は勝手に体が動き出すというのは本当だったのだなあ。
まだ小さい息子は、頭で余分なことを何も考えず、
好きなものは好きで、楽しいものは楽しめて、その感情を行動に素直に表せる。
もちろん悲しい時も怒ったときもだけれど、それって本当に素敵なことだ。
成長に伴い、本当に楽しくても、周りに合わせようだとか、これは恥ずかしいかもだとか、
結構そうやって感情と行動を切り離しがちだった私の子供時代。
息子には、どうかこのままで、いてほしい。
いつか傷ついたり悲しくなることもあるかもしれないけれど、
自分の楽しいを爆発させて、夢中になっていてほしい。
その姿を見れただけで、母は感動と面白さで涙が出ました。
和太鼓演奏であそこまで踊れるうちの息子、音楽の才能も抜群だったんだなあ。