[おもしろ植物学 1ー1 ]植物が水を押し上げるためには
こんにちはゆuです。
今回は「木の作り・不思議」についてお話します。
外に出ると何となく目に入りますよね。
都会の方でも影を作ったり、夏に気温を下げたりするために(実は葉っぱを裏から細かい水蒸気が出てるんだよ)木が植えられてます。
そんな木々は僕たちの血液のように、体中に水を巡らせています。
え?でもどうやって根っこから上に水を持ち上げてるの!?
ココ気になりませんか?
1.水エレベーターの謎
重力は上から下に働いているのに不思議な話ですよね。
僕たちには心臓があって血液を体中に送れるけど、人の体なんて1mいくつ?
植物に同じような器官があったとしても、大きな巨木は50,60メートルダゼ?
とてもできるとは思えない。
だとすれば自力ではなくて、何か周りのものを使っているのでは?
実はその通りで、植物は空気を利用しています!
もっと言うと、空気のない真空を利用しているんですね。
なんと植物の水が通る管は空気が通ってないんですよ!
真空の場所って空気がないのでめっちゃ空気欲しがってるんですね。
植物は真空の隙間を埋めようと空気を吸い込む勢いで水を押し上げています。
2.真空×○○
それでも木が大きすぎると真空だけの力では限界があります。
もう、これ以上あがらない!という高さがあるんですよ。
そこで行われるのが「蒸散」!
冒頭でも話した、葉っぱの裏から水蒸気が出る現象です。
実は、植物の葉っぱの裏には気孔という呼吸をする小さな穴がありまして、そこから息をするのと同時に水蒸気が出るんですよ。
僕たちも息をするときには、わずかながら水分を使います。起きたときに喉が渇くのはそのせいですね。
植物はこの蒸散で使ってしまった水分を埋め合わせするために水を吸い上げます!
真空と蒸散を使って植物全体に水を運んでるんですね。
理論上、この2つの力で上げられる水の高さは、なんと140メートル!!
↑世界一の木「セコイアメスギ」115m
3.死後に発動するアレ
実は驚くことに、木材は生きている個所よりもお亡くなりになった個所の方が頑丈なんですよ!
木は、シロアリや色んな種類の菌から身を守るために抗菌物質を作るのですが、それを貯める場所が、お亡くなりになった幹の中央の部分です。(外側に行くほど木の年齢は若くなるよ)
その抗菌物質が木を堅くしたり、水の染みこみも防いでくれます!
木造建築で使われる木材はコレですね。
なので、もし生きている……と言うより成長している場所に抗菌物質があると、水の通りを悪くしてしまうわけです。
え?でも亡くなって枯れたりしないの?
そう思った方も多いと思います。
この理由にはリグニンという細胞の接着剤のような物質が関係しています。
このリグニンは細胞同士をガッチリくっつけてくれるのですが、とある特殊能力を持っています。
なんと、リグニンに固められた細胞はお亡くなりになってもそのままの形で残るんですよ!
漫画でよくある死後に発動する技のようですね!
ここまで読んで頂きありがとうございました😊
水エレベーターや死後のリグニン能力。
僕たちが何気なく見る風景の裏で、このような現象が起こってるって考えるとなんだか面白いですね!
参考文献
面白くて眠れなくなる植物学 https://www.amazon.co.jp/dp/4569830293/ref=cm_sw_r_cp_api_i_9H22844AQKRXHW50DR06
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