ストーカー被害にあう洗脳フレーズの秘密【逆もあり!?】
恋愛関係の有る無しに関わらず、ストーカー被害の多くの責任は加害者側にあるのは当然だが、被害者側もその状況に導いた要因が必ずある。
ある意味では、被害者側が加害者を意図せず強力に洗脳したともいえる。
一度ストーカー行為が始まってしまうと、理性が全く働かない情動優位の状態が続いてしまうので、局面を打開するのは困難になる。
普段は意識しないで会話している話の内容の中から、意図せず相手を洗脳してしまうことはよくあることなのだが、なかなかそれに気付けない。
しかも多くの場合、話している自分も相手もなぜ洗脳状態になってしまったかを理解できない。
今回は、言語が持つ表面で意図する意味と、実際に与える影響の違いに注目して、そこからどのように洗脳が起こるかの秘密について書いてみたい。
言葉の力だけであなたは簡単に洗脳される
誰かの言葉を聞いただけで、あなたは簡単に洗脳される。
『えっ!そんなことあるわけない!』
多くの人たちは自分自身に自由意志があると錯覚しているだろうが、以下の文章を読み進めていけば、いかに自分が簡単にマインドコントロールされ、心身を支配されるかに気付くはずだ。
意味は言語にあるのではなく、影響にあるのだ。
では、実験を始めよう。
口の中に、あるとっても酸っぱいレモンジュースの味を想像しないでください。
そして、レモンを半分に切って、手に持って口の中に入れ、それから手でつまむと同時に噛み、口の中はとても酸っぱいレモンジュースでいっぱいになっているということを想像しないでください。
痛むほど酸っぱい味を想像しないでください。
また、できるだけ、よだれを垂らさないでください。
この文章を読んだあなたは、唾液いっぱいで、口の中を非常に意識してしまっている状態ではないだろうか?
そして、私は『想像しないで!』と言ったが、あなたはなぜか想像してしまったのではないだろうか?
今、あなたのリアリティが言語空間に誘導されたのを実感できたはずだ。
リアリティを揺るがされた状態そのものが、催眠状態でもあり、日々我々は誰かに影響され洗脳されている。
今は私が、言語によってあなたを催眠に誘導し、心身に影響を与えたことになる。
言語の示す内容と影響の違い
私がレモンジュースの味を想像しないでくださいと言い出すと、あなたの潜在意識はこのセンテンスの意味を理解するため、頭の中にある記憶から、類似した経験を自動で検索してしまう。
そして、『酸っぱい』という経験を検索した時、その瞬間から、あなたの生体システムに反応があり、唾液も出てきたし意識も支配されてしまった。
もし、私があなたにパキスタン人が日常でよく飲む『チャーエ』の味を想像してくださいと言ったら、あなたに反応があるだろうか?
もちろん反応はないはずである。
『チャーエ』はあなたが過去の経験を検索した時に、このプロフィールになかったため、お茶なのかどうかもわかないし、ぼんやりするか、他の特別な反応は出ない。
つまり、相手に言語で影響与えるためには、発する言葉の意味と記憶を、相手と自分が同じリアリティを持って、共有している必要があるのだ。
言葉の使い方を間違えるとストーカーにあいやすくなる
レモンジュースの話でわかったように、言葉そのものの意図する内容が、相手に正確に影響を与えるものでないことはよく理解できただろう。
よく遅刻する学生に対して、先生が『今後、遅刻しないでください』と言ったら、彼は遅刻を繰り返すことになる。
お客さんに、『私はあなたを騙すことはないです!』と言ったら、お客さんはあなたに騙されれているのではないかと疑い始める。
あなたの仕事ぶりを見て、心配した上司に対して、あなたが『○○課長、心配しないでください』と言ったら、上司は『あいつ大丈夫かなぁ。。』と、余計に心配する。
そして、このようなことは恋愛関係でもよく起こる。
好きでもない人から声を掛けられて、
『私のことを好きにならないでください!』
『私をかまわないでください!』
『私に声をかけないでください!』
『私たちが付き合うことはありません!』
このような言葉を発せられた相手の潜在意識の反応を考えてもらいたい。
最初のレモンジュースの時と同様で、『好きにならないで!』と言われたら、言葉の意味を理解するために、まず好きになったことをイメージ記憶から引っ張り出して体感しなければならない。
つまり、潜在意識に意図することと逆のイメージを植え付けてしまうことになる。
それを何回も言っていたら、言われている方は、何回も『あなたのことが好き』を心と身体で体感してリアリティが上がってきてしまう。
相手は『あたたが好き!』の情報空間リアリティがどんどん上がってしまうので、情動に心身とも支配され、冷静に物理現実を受け入れられなくなる。
そして、相手は好き→付き合うの妄想をどんどん肥大化させているところに、あなたから『私たちが付き合うことはありません!』と言われたら、会話を理解するために二人が付き合っているイメージを構築しなけばならず、さらに深みにハマってしまう。
このように意図せず、相手を洗脳してしまうことはよくある。
言葉の持つ力をうまく利用するには
では、もし好きでもない人から迷惑な行為を受けたときは、どうすればいいのか?
それは言葉の使い方を意識して変えることに尽きる。
つまり、先程の言い方の部分を工夫すれば簡単に相手を自分の意図するように、誘導していける。
例えば、
『こういうことする男性、嫌いです』
『こんなこと、やめてください』
『もう、諦めてください』
ストレートに何を『する』を告げるべきで、『○○しない』を告げると逆効果になる。
わかりやすいように他の事例でも言い換えてみると、
『今後、遅刻しないでください』→『今後、早めに来てください』
『私はあなたを騙すことはないです!』→『私の話は全部真実です。私を信じて下さい!』
『○○課長、心配しないでください』→『○○課長、ご安心ください』
このように明確に自分の意思を伝達することには、非常に大きな効果があることを実感できるはずだ。
恋愛にうまく利用することもできる
おまけとして、この言葉の使い方のミスを意図して好きな相手に使うと、逆に自分の意図するような方向性に洗脳させることもできるので紹介する。
例えば、自分が好意をもっているような相手に、
『俺のことを好きにならないでいいよ』
『俺のこと気にしないでいいからね』
『俺と〇〇ちゃんが付き合うことはないよな』
レモンジュースで唾液を出させたように、言葉の意味そのものではなく、与える影響力を意識して発し、意図するイメージを相手の潜在意識に何度も構築させて、好意創出させていくことも可能になる。
重要なことは言葉が示す意味と、実際に与える影響の効果がまったく違うことを常に意識することだ。
ちょっとした言葉の使い方しだいで、人生が大きく変わることを是非実感して頂きたい。