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ルカ福音書 1:26〜38 「恐れが過ぎ去る祈り」 (クリスマス)

しかし、マリアはこのことばにひどく戸惑って、これはいったい何のあいさつかと考え込んだ。すると、御使いは彼女に言った。「恐れることはありません、マリア。あなたは神から恵みを受けたのです。
ルカの福音書 1章29~30節

聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

恵みへの恐れ

「おめでとう、恵まれた方。主があなたとともにおられます」。ナザレの町の一人の処女マリアに、天使ガブリエルが現れてそう告げました。マリアはその言葉にひどく戸惑いました。

自分自身のことを身分の低いはしため(召使い)だと考えていた彼女は、「恵まれた方」と呼ばれるに値するだろうか、私に何が起こるのだろうか、と考え込んだのでしょう。驚くことに天使は、マリアが聖霊の力で男の子を身ごもって、救い主を産むことを告げました。

心に駆け巡るもの

「処女が胎内に子を宿す」ことは人間には不可能です。神の約束だとしてもそれは信じ難く、誰かに説明するにも無理な話です。

マリアは心から婚約者のヨセフのことを心配しました。結婚外の妊娠が人々に知られたら、姦淫の罪を犯したと疑われ、二人とも命の危険にさらされるかもしれません。マリアは恐れ戸惑って天使に言いました。「どうしてそのようなことが起こるのでしょう」(ルカ1・34)。

詳しい説明はいらない

そのマリアに、天使はあまり詳しい説明はせず、「恐れることはありません。神にとって不可能なことは何もありません」(ルカ1・30、37)とだけ告げたのです。彼女が不安に思っていること、恐れを感じていることを解決するための役にたつ情報はまったく与えられませんでした。しかしただ、神ご自身が「誠実である」ことを彼女に保証したのです。

すごいことに、それを聞いたマリアは、信仰をもって自分自身を神の御手に委ねました。「ご覧ください。私は主のはしためです。どうぞ、あなたのおことばどおり、この身になりますように」(ルカ1・38)、そう天使に答えました。このようにして、一人の10代の少女の「はい」と従うへりくだりが、世界に救いをもたらしました。

来て、思い出させる主

あなたは今、何を恐れていますか。何を不安に感じていますか。自分の将来にする恐れや、現状に対する不安を抱えているあなたのところへ、主は来てくださいます。そして、あなたに思い出させてくれるのです。「神にとって不可能なことは何もありません」(ルカ1・37)。

もしあなたが、「自分はふさわしくない」と恐れているなら、主の憐れみで「選ばれた」ことを思い出させてくれます。もし、自分の召命と賜物に自信が持てないと感じているなら、主が「世の終わりまで、いつも共にいる」(マタ28・20)ことを思い出させてくれます。

たとえ詳しい説明はなくとも、神はいつもあなたに対して真実であることが保証されています。今、「恐れることはない」と言うイエスの静かな声に、あなたの耳を開くことから、将来の驚くべき御業のすべてが始まっていくのです。

「イエス様、あなたには不可能はないことを信頼します。私のうちから恐れを取り払い、主イエスご自身で満たしてください」。

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