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ルカ福音書 1:5〜24 「心の奥底の扉を開けるには」(クリスマス)

御使いは彼に言った。「恐れることはありません、ザカリヤ。あなたの願いが聞き入れられたのです。あなたの妻エリサベツは、あなたに男の子を産みます。その名をヨハネとつけなさい。
ルカの福音書 1章13節

聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会

あきらめかけたその時

ザカリヤとエリザベツは、長い間子どもが与えられることを待ち望んでいました。子どもができない状態が長く続いて高齢になってしまい、いつしか祈り願い求めることをあきらめてしまったのかもしれません。

しかし、くじで当番が当たった祭司ザカリヤが神殿で奉仕をしている時、天使が彼に現れてこう告げました。「恐れることはありません。ザカリヤ、あなたの願いが聞き入れられたのです」(ルカ1・13)。神の計画は、ザカリヤ夫婦が高齢で息子を授かるという最も予期していなかったことでした。

さらに、その与えられる男の子は、「まだ母の胎にいるときから聖霊に満たされ、イスラエルの子らの多くを、彼らの神である主に立ち返らせる」(1・15〜16)と天使は言うのです。

「どうして、わたしたち高齢の夫婦にそのようなことが起こり得るでしょう」と疑ったザカリアを、天使は口を利けなくしました。その後本当に、妻エリザベトが身ごもって男の子を産んでも、彼はしばらくは話せないままで、ただ御業を見届ける以外には何もできませんでした。

沈黙の時

ザカリヤはただ、沈黙するしかありませんでした。妻が身ごもって、本当に息子が生まれるのを目撃しても、彼の心のうちの驚きを家族や祭司仲間に伝えることができませんでした。彼ができた唯一のことは、心にある す べ て を神に伝えることだけだったのです。

ザカリヤは、その沈黙の中で、自らの疑い深さを神に悔い改め告白しました。祈り求めることをあきらめてしまった間も、見守り続けてくださった神の優しさに感謝しました。心の奥底に秘めていた本当の願いを聞いてくださった神の真実さをほめたたえました。高齢の夫婦に男の子が与えられた超自然的な御業のゆえに、創造主なる全能の神を賛美しました。何という恵みの時間でしょう。

さらにザカリヤに与えられた「神と過ごす静かな時間」は、深い祝福に入っていきました。生まれた男の子が、将来どんな偉大な働きをするのかを知り、胸を躍らせました。息子のヨハネが、救い主イエスのために道を備える重要な役割を担うことや、多くのイスラエルの民を神に立ち帰らせるリバイバルの器とされることも、静かな交わりの中で、神が彼に示してくださったことでしょう。何よりも大きな恵みは、沈黙の中で神と過ごす時間を持つことで、ザカリヤ自身が変えられた、ということです。

目が開かれる祝福

神の時が来て、ザカリアが再び話せるようになった時、ザカリヤの口から最初に飛び出したのは、あふれほとばしる神への賛美でした。「ほむべきかな、イスラエルの神、主。主はその御民を顧みて、贖いをなし(てくださった)」(ルカ1・68)。

この夫婦が自分たちの計画を立てて子どもを授かるのを待ち望んでいた期間も、計画通りに行かずにあきらめかけて悲しみの日々を過ごしていた期間も、神は二人を見捨てることなく見守っていました。神は、二人が忍耐して待っていた期間を用いて、二人の計画を遥かに凌ぐ神ご自身の計画に目が開かれるように夫婦は造り変えられたのです。

あなたにも働く同じ神

あなたにも、時が来たなら神は必ずこう告げてくださいます。「恐れることはありません。あなたの願いは聞き入れられました」。あなたが忍耐をして待ち続けている時、沈黙して静かな時間を神と過ごす時、必ず神はあなたの視野を広げ、視点を変え、偉大な計画を啓示してくださいます。

たとえあなたの思い通りにいかなかったとしても、あなたのために立てられた神の計画はいつも最善で完璧であることを覚えなさい。あなたが涙しながら願い求めている期間も、あきらめかけてて心が離れてしまった期間も、主は共におられます。そして、たとえあきらめかけたとしても、あなたの心が完全に離れてしまわないように、優しく働きかけてくださっているのも神なのです。恐れることはありません。今日、安心して、あなたの願いを神に打ち明けなさい。

「神さま、わたしの願いを聞いてください。しかし、あなたの最善がわたしの身になりますように」。

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