
父と最高の別れをするために
今年の3月に父が亡くなりました。
うちは母もすでに亡くなっているので、あんな思いをまたしなくてはいけないのかと、父までいなくなったら自分はどうなるのだろうと思っていたのですが、亡くなって数日は自分でもびっくりするくらい冷静でいられました。
葬儀で父と本当にお別れとなり、それからかなりメンタルが落ちてしまい、しばらく何もしたくない状態が続いたのですが(それも自分でびっくりでしたが)、仕事が始まってそっちに気を取られるようになったらいつのまにかメンタルも復活していました。
亡くなっても冷静でいられた理由。メンタルが落ちてもわりとすぐ復活できた理由。
それは、10年以上前から父と別れる準備ができていたからだと思います。
そのことを記事に書こうと思っていたのにすっかり忘れていたのを思い出しまして。
10年以上の準備とは、今まで父との時間を大切にしてきた、後悔しない選択を常にしてきた、ということです。
母が亡くなったのが今から12年前。息子が一歳になったばかりの時でした。
その一年半ほど前、息子が産まれる半年ほど前から母の病気が進行していることはわかっていました。
息子が産まれた時も母は入院中で、すぐに孫に会わせてあげることができませんでした。
私が退院する時か、1ヶ月健診かという頃に入院中の母に会いにいけたのですが、それからすぐ震災が起こり、ガソリンが貴重になったことや計画停電で電車や車での移動が厳しくなりました。
なので会えないことに慣れてしまったと思います。
震災の影響が落ち着いたあと、母が退院している間でも、電車で赤ちゃんを連れて移動することが私一人では大変と思い、なかなか会いに行きませんでした。
母の命の期限が迫っていることを、私はなんにも考えていなかったのです。
母が亡くなったとき、私はものすごく後悔しました。行こうと思えば行けたのになんで行かなかったんだろう。もっと母に会いにいけばよかった、もっと孫を見せてあげればよかった。
あの時の後悔を、父との別れではしたくない。
そう思ったんです。
前に書きましたが父とは確執があったので本当は父と二人で会いたいなんて全く思わなかったのですが、
息子がいてくれたので、息子がじぃじに会いたいとよく言ったので、息子が言うたびに父に会いに行きました。
めんどくさいな、この前も行ったじゃん、と思った時も、今日行かなくて後悔したくないと思い行きました。
年末年始や端午の節句などは毎年妹家族とみんなで会いにいきました。
自分の気持ちと向き合い、だいぶ勇気がいりましたが後悔しないように、言いたいことを言う選択をしました。
父の病院通いにもなるべく一緒に行きました。
父が施設に入ってからも行ける時は私一人でも面会に行きました。
2年前にかなり容態が悪くなった時は、父への感謝の言葉を伝えました。
その後も伝えたいこと、聞きたいことは全部伝え、聞きました。
だから私は父との時間を大切にしてきたといえるし、後悔していないし、
それが、10年以上の準備、でした。
それでもメンタルは落ちたけど、やっぱり母の時とは全然違いました。
親との時間は永遠と思わず、今のうちに悔いのないように過ごしていけるといいなと思います。
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