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報告:ブラックリストは回避された
【文字数:約1,100文字】
先日、今年2回目となる献血に行ってきた。
前回は採血直後に失神するという貴重な体験をしたので、今回は体調を万全にして血を採られに向かった。
受付で前回のことを話すと、今回も失神するようなら今後の献血をお断りすると言われた。
あやうく「あ”ぁ"?」と返しそうになるのを抑えて、紳士的な態度でもって理由を尋ねる。ミッションの達成に短気は禁物だ。
「体質として採血が合わないのかもしれませんね」
そんな感じの説明を受けて、それなら仕方ないですね、と返すくらいしかできない。すでに選択肢を封じられており、マズい状況と判断する。
続いて医師による問診が始まって終わる。たぶんカップラーメンもできないくらい短くて、前回のことは華麗にスルーされる。
だいたいヤル気のない医師が多く感じるけれど、今回に関してはグッジョブだった。
「先生、タブレットのタップめっちゃ早いっすね。さっきのスマホでリズムゲーでもやってたんですか?」
もちろん私は紳士なので、そんな無粋なことを聞いたりしない。
成分検査をして血液の濃さも問題なし。だいぶ前は試験管に取られていたのが、今は指先から数滴だけで済むのは非常に助かる。
いよいよ採血という段になって、担当する看護師に前回のことを話して注意を促した。
「もう歳ですかねぇ」と自分を下げて年齢を高く感じさせようとするも、個人情報を渡しているので意味がない。
話していると過去の献血で書き込まれた前科、もとい所見が残されており、もれなく場所や日付まで把握されていると判明した。
今回も失神して次からお断りされれば出所は難しく、以降のミッション遂行は不可能になるだろう。
「ブラックリストには登録されたくないですね」
看護師さんは笑ってくれたけれど、私は内心ドキドキだった。
対象から断られるなら仕方がないし、そもそも献血はボランティアの1つという扱いになっている。
色々と粗品がもらえるとはいえ、近年のマンガやアニメとのタイアップ企画ではない、本体の赤十字が作るものは文字通りの「粗品」だと思う。
ただ、前回の記事でも書いたとおり、自分の血液を使った誰かが世界を良くするかもしれないし、スパイは裏の世界から世界平和を導く存在だ。
そんな献血事業を行う日本赤十字社は現在、遠藤達哉 著『SPY×FAMILY』とのタイアップ企画で、「ミッションは献血を広めること」なるものを開催している。
興味を持たれるのは良いと思う一方で、過去にタイアップした作品が攻撃されたことは忘れないでおきたい。
↑ 上記サイトで一部を読むことができます。
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