風の花 《詩》
いくつもの風船を空に放つたび
あなたの影は重みと色をなくしてく
足元そして宇宙に引かれる花たちは
見せかけの自由に酔いしれるほど
見上げる蟻を見下げて嗤う
だけど彼らは空を見ず
命の在処を探すだけ
観客のない風船たちを運ぶのは
忙しなく踊り続ける風の御使い
北へ南と終わることなき旅暮らし
そろそろ寒さを運ぼうか
いやいや暑さも捨てがたい
少しも止まらぬ大気の河川
そこに身を投げ流れる花たち
どこか遠くの誰かの元へ
やがて神の怒りに触れて
羽根を失うイカロスとなり
大地に堕ちる定めでも
地上の流れ星として生きるなら
消えゆく命も意味を持つ
どこまでも飛べ風の花たち
初出:2022/09/21 note(書き下ろし)
ひさしぶりに詩の形式で書きましたけれど、これといって理由があるわけでもなく。
風船みたいにふわふわと、浮かんできた何かに言葉という形を与えたような。
Heガスが辿り着けるのは大気圏内だけなんですけどね。
なかまに なりたそうに こちらをみている! なかまにしますか?