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神を信じない君が「光あれ」と言った。

朝から降り続いた雨がやみ

傘を忘れた夕暮れに現れる

東へ逃げる雨雲を追いかけ

西に渡されたのは光の桟橋

幻の船が行き交う海原にて


遠く青空に瞳を向ける横顔

髪は陽光の黄金色に染まる

あれから3年が経つのかと

失われた歳月と尊厳を胸に

覚えてしまった言葉を操る


この世界に神は存在しない

死者の沈黙が教えてくれる

雷の埋まる大地は焼けただ

残された生者は空へと歌う

この世界に神が存在しない


雪の舞う季節を越えた先で

あの虹をまた見れるように

重なる色彩を数えるように

異なる人々が笑えるように

汝の隣人を愛せますように



 ◇


 世間はクリスマスの活況に満ちているわけですが、使う暦を変えてクリスマスの日を変えた、とある国のことを思うのです。

 まわりにアレコレ言う人はいなくなり、もはや諦めムードさえ漂う中で、中東にも新たな火種が生まれました。朗報なのか、はたまた混乱の新生なのか、なんともいえない状況です。

 かくいう私は世界情勢に関与できるような人間ではなく、他の多くの人と同じように傍観者とならざるを得ず、分かったようなことを詩にするくらいしかできません。


 むかし、バイト先にいた赤い隣国の人が私に言いました。

「あなただけは私をバカにしない」

 シフトの関係で接する時間が短いだけだったのですけれど、そう口にした表情と声をいまだ鮮明に覚えています。

 その人の周りの人は私にとって「良い人」でしたから、そんなバカな、と信じたくない気持ちと、ありえるかもしれない、という2つの気持ちがありました。

 ただ1つ確かなのは、もらったウーロン茶がとても美味しかったことです。


 今年よく聴いた曲にHIMEHINAの「水たまりロンド」という曲がありまして、制作が2020年11月末ということもあるのか、COVID-19に覆われた世界情勢を反映しているような歌詞です。

 ただ、曲の後半は今なお有効な気がしており、それは次のようなものです。

ダメ あの人と遊んじゃ
ダメ 色が違うもの
ダメ あの人に近づいたら
毒が感染ウツ

正義をかざす人
正義をたたく人

その どちらもこの世界を
愛してるのに!

 どちらかといえば私は心の狭い人間だと思うのですが、それでも自分なりの正義があります。正義を持たない、という正義もあるでしょうし、信条などと言い換えてもいい気がします。

 あの3年間で人の善悪を目の当りにしながら始まった、あの戦争が今なお続いていると、いったい誰が予想したでしょう。私は具体的な方法を書きませんが、どうにか1年で収めるものと思っていました。

 無宗教なもので「信じていた」とは言えませんし、自分たちの命が惜しいのは人間なら当然なのかもしれません。それもまた愛や正義とは近しいのでしょうから。



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りんどん
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