料理の実験室〜すてっぷ8『“ちょうどいい”と言われている塩分濃度0.8%ってどんなもん?』
以前、料理の実験室〜すてっぷ2にて、
・料理の塩分濃度(料理の重量に対しての塩の量)は0.8〜1.0%がちょうど良いとされている
・人間の血液の塩分濃度が約0.9%であり、これに近いからとされている
…ということを書かせていただきました。
でも、料理をするときにわざわざ塩分濃度なんて考えないですよね。
まずはなんとなく入れてみて、味を見ながら調整したり、レシピに書いてある分量に合わせたり。
じゃあ実際、塩分濃度0.8〜1.0%ってどのくらいなんだろう?本当にちょうどいいの?
…ということで、今回は塩味を加える目的で使われることが多い調味料のベスト3であろう塩・醤油・味噌を題材に調べてみました。
*色々と味見をすることになる僕の健康のことを考え「ちょうどいい塩分濃度=0.8%」ということで進めていきます。
●実験①分量、見た目、どのくらい?
まず、111g(卵2個分)の卵焼きをつくる際に、塩分濃度0.8%にするためにそれぞれの調味料がどれくらい必要なのかを計算で出し、計量してみました。
・塩
いわずもがな塩分濃度100%なので、
111g × 0.008g(0.8%) = 0.88…g → 約0.9gです。
見た目だとこれぐらい。
ちなみに、僕の親指・人差し指・中指の3本でひとつまみ+親指・人差し指の2本でひとつまみすると、ちょうど0.9gになりました(何度もやってみた)
こういう自分の身体の使い方を知っておくと便利ですよね。
・醤油
塩を塩分濃度100%とした場合、醤油の塩分濃度は15〜17%と言われています。
今回は15%として計算すると、塩と同じ濃度にするためには約6.6倍入れる必要があります。
0.9g × 6.6 = 5.94g
見た目だとこれくらい。
・味噌
塩を塩分濃度100%とした場合、味噌の塩分濃度は12〜13%(甘味噌は6%)と言われています。
今回は12%として計算すると、塩と同じ濃度にするためには約8.3倍入れる必要があります。
0.9g × 8.3 = 7.47g
見た目だとこれくらい。
塩のしょっぱさに対して、醤油や味噌は思いの外、塩味が少ないんですね。体感的にはもっとしょっぱいのかと思っていました。こういう思い込みを解消できたのはよかったです。
…ただ、これはあくまでも計算上の話。
実際に食べたときにどう感じるかを検証しました。
●実験②味はどう?
軽量した卵111gに対し、塩・醤油・味噌でそれぞれ卵焼きをつくり、中央部分を同じ分量だけカットして試食しました。
・塩…ちょうどいい
卵の味を引き立たせるような塩味で、いくらでも食べられそう。人によっては少々薄めと感じる人もいそう。
・醤油…若干濃い
醤油の味がかなり際立っているように感じた。美味しいがいくつも食べているとしょっぱいと感じてきそう。
・味噌…ちょうどいい
初めての味だったが、味噌の甘さが卵によく合う。しょっぱいと感じることはなかった。
もちろん、塩分だけで味が決まるわけではないですし、料理の実験室〜すてっぷ7で書いたようにうま味との相乗効果で少なめの塩分でもちょうどよく感じるということもあるので一概には言えないのは大前提ですが、濃度を意識して準備した調味料で本当に美味しくつくれたことに、シンプルに驚きました。
●今回の実験の結論は…
ちょうどいい料理の塩分濃度(料理の重量に対しての塩の量)=0.8%…は概ね正しいと言えそうです。
普段から食材等の分量を計って調理する方は味付けの参考になるでしょうし、僕のようにあまり計らずにつくる人でも、味見をした時に塩味を何の調味料で足すか・どれだけ足すかをイメージする時に役立ちそうです。
同時に、味覚は人それぞれなので、まずは自分がどう感じるかを知っておくことも大切だと思いました。
僕の場合は、醤油でつける塩分濃度0.8%は若干しょっぱいと感じることが分かったので、これから醤油を使うときには想定よりも少なめに入れていき、調整していこうと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました(#^^#)