見出し画像

料理の実験室〜すてっぷ3『使う食材が同じであれば、切り方を変えてもロールキャベツはロールキャベツなの?』

美味しそうな春キャベツを手に入れたので、今回の題材はキャベツさん。


●キャベツの栄養素は?

・ビタミンU:胃の粘膜や胃壁を保護
・ビタミンK:カルシウムが骨になるのを助ける、妊婦さんにも◎
・ビタミンC:コラーゲン生成に役立ち、たるみやシミそばかすを予防
・食物繊維:脂質や糖を便と一緒に排出してくれる

他にもイソチオシアネート(がん抑制効果)やペルオキシダーゼ(発がん性物質抑制)という酵素を含んでいたり、人呼んで「食べる薬」とも言われています。

●本日の実験テーマ『使う材料・調味料を同じにすれば、食材の切り方を変えても、ロールキャベツになるのか?』

春キャベツは柔らかさや甘みが特徴でロールキャベツにピッタリ〜ロールキャベツにしよ〜♪と思った時にふと浮かんできたのがこの疑問でした。

僕が知っている一般的なロールキャベツは、ひき肉と細かく刻んだお野菜をハンバーグのように丸め固めたものをキャベツで包み込み、スープで煮込んだものです。

でも、これらを肉や野菜を刻まずに、素材の味が分かるような形で作ったとしても、結局お口の中で噛んで混ざり合うんだからロールキャベツになるのか?

そもそも、キャベツでロールしていれば、ロールキャベツなのでは?
ねぇロールキャベツ、なんであなたはロールキャベツなの…?

…と、哲学(??)の沼に陥る前に、みじん切りver.と細切りver.で、ロールキャベツをつくってみようと思います。

今回は切り方だけで変わるのかどうかを調べることが目的なので、
・つかう食材、調味料のグラム数は全て揃える
・みじん切りver.でもつなぎは入れない

あとは、
・春キャベツの柔らかさ・みずみずしさを感じたいので煮込み過ぎない

ことを意識してつくってみました。

●調理開始!

中華包丁のいいところは切ったものをたくさん載せて運べるところ

食材は、たまねぎ、にんじん、しめじとシンプルにしてみました。
切ってはバットに乗せるを繰り返します。実験感がすごい。楽しい。

キャベツは芯をくり抜き、沸騰したお湯が入っている大きめの鍋にドボン。しばらくすると自然と1枚ずつめくれてきてくれます。

●さぁ包みましょう

まずは、みじん切りver.から。

残り物の野菜を使い切ろうと横着したせいで野菜の分量が多く、まとまりにくかったのですが、事前に豚肉を粘り気が出るまで揉み込んでおいたのでなんとかセーフ。調味料はシンプルに塩、胡椒、お酒です。

キャベツは、柔らかい葉先を起点にすると巻きやすいです。

次に、細切りver.をいってみます。

まるでサンチュに焼肉を挟んでいただくかのよう。切り方が違うだけでこんなにビジュアルも違うの、当たり前なんですけれどなんだか不思議。

こちらも事前に塩、胡椒を振っておきます。ちなみに、みじん切りver.よりも火が通りにくいと思われるので、お肉以外はお酒をかけ、電子レンジを使って500wで1分だけチンしておきました。

それでは煮込んでいきます。今回はあくまでも切り方の違いを確かめるためなので、シンプルにコンソメブイヨン+ローリエのスープで煮込みます。

20分程度煮込んで、表面のキャベツの食感を残して完成です!
それぞれ、切って断面を確認した上でいただいてみましょう。

●みじん切りver.のロールキャベツ

おぉ〜野菜多めだけれど、いわゆるロールキャベツのビジュアルしています。

お味は…うんっ、ロールキャベツ!(そりゃそうだ)美味しい!
素材全てが混ぜ合わさり、口に入れた瞬間に「ロールキャベツだ!」っていう美味しさと喜びを感じられます。

そしてキャベツ甘い〜!
ちなみにニンジンも新ニンジンなんです。甘い〜!

よしっ、じゃあ次はいよいよ細切りver.ですね。
ロールキャベツの歴史に、新たな一歩を刻めるか!

●細切りver.のロールキャベツ

なんだこれ!
ロールキャベツ頼んでこの断面だったらすごくびっくりしますね。
名前の付いている料理は多少なりとも型が決まっていて、お客さんもそれを求めて注文するわけですから、例えアレンジするとしてもある程度型に沿うことは大切だなぁと学び。

・ 肝心のお味は…

うん、普通に美味しい笑
個々の食材の味がとっても際立ちますね。
お肉、にんじん、たまねぎ、しめじが、個で分かり、かわるがわる美味しさがやってくる。それらが口の中で混ざり合っていくプロセスもまた美味しい。

ただ、どれだけ噛んでみてもいわゆる「ロールキャベツ」の味はしてきませんでした。

●今回の実験の結論は…

「使う材料・調味料を全く同じにしても、食材の切り方を変えるだけでロールキャベツではないものになる」

でした。
「当たり前」を紐解いていくと、そこには発見がありました。

切り方を変えるということは、

・調理中の食材の混ざり具合が変わる
・火の通り方や調味料等の染み込み具合が変わる
・口の中に入れた時の食感(テクスチャー)が変わる
・口の中で個々の素材の味を感じるタイミングが変わる

その結果、食材の味が足し算ではなく掛け算となり、個別の名前がついた料理へと進化するんだなぁと。

改めて食材を切るということの重要性に気付かされました。
どう切るかは、どう調理するか、どういう状態で口に入るかに直結しているんですよね。
SNSの映える投稿などを見ていても、料理は火入れや味付けに関心のウエイトが置かれているような印象ですが、切り方に向き合ってみるだけで、これまでの料理が変わってくるかもしれません。

ちなみに、余った春キャベツはペペロンチーノにしました。

旬の食材さいこぉぉぉぉぉぉぉぉぉー!♡♡♡♡♡

いいなと思ったら応援しよう!