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AIプレイヤー(それなりの強さ)を作ろう


突然の転園

私の頃は、保育園には行かず、幼稚園に1年だけ行って、その後小学校に入る、ということがそこまで珍しいことではなかった。
その1年しか行っていない幼稚園時代(大げさ)に、家が手狭になったのか、何なのか、今となってはわからないのだけれども、同じ市の、隣町に引っ越すことになった。
その結果、黄色かった私の通園帽は赤くなり、友達が…いなくなったのだ。
(別にいなくなった友達の血で染まったとかいうホラーな話ではないよ)

フクちゃんジャラポン

今でも売っているのはすごいなぁと思うのだけれども、麻雀を子供向けにアレンジした、「ジャラポン」というおもちゃを、買ってもらっていた。
名称に馴染みがない人は、「ポンジャン」「ドンジャラ」(は、オールマイティがいたり、役が派手だったりした記憶があるが)と同じものだと思ってもらってよい。

内容物とルール

私が持っていた「ジャラポン」の牌は81個。黄色のフクちゃん、クミちゃん、キヨちゃん、赤色のパパ、ママ、おじいさん、水色のシチ公(犬)、アラクマさん、ユカリさんの牌がそれぞれ9枚ずつ入っていた。(ちなみに、アニメ自体は見たことがなく、こいつらは誰なんだろう、と思って遊んでいたのは内緒だ)
手牌8枚+1枚を、麻雀の要領で育てていって、3枚セットを3つ作れば勝ち、できた役に応じて、点数のやり取りがある。

友達はいないが、「ジャラポン」は遊びたい

はたと、少年りんちゅは考えた。
友達はいない。
父親は時々花札で遊んでくれるが仕事でいない。
母親は不機嫌そうに掃除機をかけている。
(妹が生まれるのはこの5年後の話だ)
…でも、目の前のジャラポンは遊びたい。

1人4役

まずやってみたのは、1人4役である。牌を混ぜ、4つの牌山を作り、そこから4人分の手牌を配る。卓を回転させると牌が崩れるので、卓の周りをグルグル回りながら、ゲームを進めるのだ。
これはこれで充分面白かった。(これを人は素質と言う)

AIプレイヤー(弱い)の登場

次に、さすがにグルグルし続けることに疲れたのか、手牌をオープンにすることにした。その上で、主人公プレイヤーたる自分の位置を固定し、残りの手牌については、捨て牌をサイコロで決めることにしたのだ。
サイコロを2個振って、合計が2なら一番左の牌を捨てる。3なら2番目、4なら3番目、…で、手牌が9枚しかないので、11と12が出たら振りなおす。
(無論、5歳なので、確率上7が出やすいとか、細かいことは気にしていない)

イカサマなしのゲーム(ここでいうイカサマは、プレイしているように見えて、実はプレイされていなくて、一定の確率でコンピュータ側が勝ったことにする、という意味合いで使っている)で、「AI(弱い)」というやつがいたら、大体この発想でできていると考えてもらって、いいと思う。

人工知能(弱い)→自分で考える(ふりをする)→ルールを破らない範疇で、取れる選択肢の中からランダムに選択をする、ということなのだ。

改良

ランダムに選択をしているので、3枚揃っているところをぶち壊して捨てたり、7枚捨てられていて絶対揃わない1枚を大事に持っていたり、ということが、起こり得る。
また、手牌の色をできるだけ揃えていくと高得点になるのだけれど、せっかく黄色ばっかりの手牌をもらったのに、黄色い牌から捨てていったり、なんていうことも、起こる。
こんなことにならないように、例えば、ランダムに捨てるのではなくて、全員の捨て牌をあわせて、最も多く捨てられているものから捨てる(捨てられている数が同じ場合は、その中からランダムで選ぶ)とか、いろいろと調整、改良をしていくことで、AIプレイヤーはある程度まで強くなっていく。

COMプレイヤー

え、そんなの人工知能じゃなくない?と思った人は、それなりに正しくて、定められたアルゴリズム(と、最後はランダム頼りかもしれない)で、ゲームの相手をしてくれるプレイヤーが作れたとして、それはAIプレイヤーではなくてCOM(コンピュータ)プレイヤーと呼ばれるべきだ。

しかし、このCOMプレイヤーを、複数タイプ用意し、1万回くらい戦わせて、ある程度の勝率を上げたものを複製/改良(ここをランダムでやったり、どういう確率で複製したり、というところを話し始めるとまた長くなるので割愛)し、また新たなグループを作って、1万回くらい戦わせて、、、を繰り返していくと、人間がぎりぎり想像できるけれども、「ああ、そういう条件の方が強かったのね」という塩梅のCOMプレイヤーが生まれてくることになる。それらはAIプレイヤー(それなりの強さ)と呼んで差し支えないだろう。

まとめ

AIプレイヤー(それなりの強さ)を作る方法の1つとして、AIプレイヤー(弱い)を含む、ランダムな選択(AIプレイヤー(弱い))、ある程度決められた選択、をする疑似プレイヤー集合の中でゲームを繰り返し戦わせ、優秀なものを次世代に残す方法を簡易的に紹介した。(どこかのタイミングでこの方法の詳細は深掘りすることにする)
この文脈においては、AIプレイヤー(弱い)だって立派な人工知能と扱うので、5歳児でも人工知能の考え方に触れることはあり得る、幼児教育って大事だね、という話であった。(嘘)

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りんちゅ
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