社会的自立とは?-黒を黒だといえること-
1.通勤電車で出会った「社会的自立」という言葉
半年くらい前だろうか。
会社に向かう電車の中で、
ぼーっとインスタグラムを眺める。
日本仕事百貨さんが運営する
「日本仕事百貨の編集者たちが日々想うこと」
のアカウント見ている中、
2022年に代表のナカムラケンタさんが
寄稿した投稿を目にした。
一冊の本。
真っ赤な表紙。
見た目のインパクト十分なその投稿には、
「アソブロック」という企業から出ている
本の内容が引用され、散文が書かれていた。
引用されていた本は
『アソブロックとはなんだったのか?-会社という仕組みをつかった社会実験のキロク-」
である。
「会社」となったとき
「そもそもの働き方」に美学をもつ組織へ惹かれる私は「会社をつかった社会実験」という副題にも「え、かっこよい」と痺れていたが
何より、投稿に引用されていた
「社会的自立」という言葉。
当時の私は、
この言葉にものすごく興味をもった。
なぜなら私は「自立をしたい」と思いながら
願いながら、生きてきたからである。
大学生の頃は、
精神的な自立をしよう
社会人になってからは、
しっかりと経済的な自立をしよう
そう思って過ごしていたのだろうけれど
25歳、社会人3年目。
通勤電車の中で、
団さんの言葉をみて、ものすごく直感的に
私が次に目指したいのは
「社会的な自立なんだろうな」と感じた。
2.そもそも、社会的な自立とは何だろう?
言葉につよく惹かれると同時に
あれ?なんとなく惹かれているけれど
そもそも「社会的自立」ってなんなのだろう?
どういう意味なんだろう?と、考えた。
「社会的な自立」というのは
辞書に定義をもつ、普遍的な言葉ではないはずである。
普遍的な言葉について、
私は辞書を引く癖があるけれど、
今回はまずイメージを膨らませることにした。
つい思い浮かべてしまったのは、
自分の身の回りにいる人たち。
具体的には、会社の先輩方。
...本当に嫌な後輩で、恐縮なのだが🙏
彼ら彼女らは
「社会的に自立しているのだろうか?」
と、自分で問うてみた。
みんな、もちろん経済的には自立していたし
精神的にも自立している人が大半に感じた。
でも「社会的自立」と問うてみると、
社会的自立をしていると感じた先輩は
かなり少なかったのである。
(私が所属した会社は、平均年齢が34歳だったから「若さ」も明らかな要因の1つだったと思う。)
どんなに優秀な先輩も、昇進をしている先輩も
「社会的自立」まではしていないように感じた。
逆に、社会的自立をしているように感じた先輩方に共通していたのは、
役職とか家族の有無ではなく
「人生や、日々の暮らしに満足している感」
であった。
この環境下で、どんなことが起こったとしても
「今いる場所は、自分の意志・決断の積み重ねだから自分の責任で受け入れますよ」
そんな覚悟があるように感じた。
そんなことを考えながら、
では、私は社会的自立をしているのか?
と問うたとき、答えはまだNOだった。
私はこれまで一定の哲学はもちながら
社会人生活を進んできたけれど、
実際に社会人になって、社会を少しは知った上で
そもそも私は何をやりたいんだろう?
と考えていたからこそ、
アソブロックさんの投稿を目にした日から、
私にとって社会的な自立とは、なんだろう?
ということを、頭の片隅におきながら日々過ごしてきた。
3.団遊さんにとって...「黒を黒だと言えること」
そんな問いをもちながら、
迎えた文章ゼミの10回目。
アソブロック代表、団遊さんがゲストの回。
どのゲストの方も、もちろん楽しみだけれど、
今回ゼミ応募を決断できたのは、
「いまの私で団さんに会ってみたかった。」
ということも、理由に大きかった私は
ものすごく楽しみにしながら講義を受けた。
とかく1番知りたかったのは
「団さんにとって、
社会的自立とはなんなのだろうか?」
ということ。
その点で何かを感じ取ろうと思い、
お話を聞いていた。
講義自体で印象的だったことは、
別でまとめたのだけれど
私は講義が終わって数分経っても
①団さんの「社会的自立」という言葉に引力をもらった感謝を伝えたい
②自分で勝手に捉えているけれど
言葉の発起人である団さんにとって
「社会的自立」と何だったのか?やっぱり知りたい。
そう思ってしまいどうしようもなかったので、
講義が終わった後に
団さんにこっそりと話かけてみた。
「団さんが著書に書かれていた『社会的自立』という言葉が、ものすごく興味深くて、
半年間くらいそれに考えていたのですが…
「団さんにとって、
社会的自立とはなんですか?」
「あー、僕にとっての社会的自立とは…
『黒を黒だと言えることですね』」
はっきりと答えてもらう。
「黒を黒」
とは、どういうことなのだろう。
「僕ライターや編集者として働いていたときに、
おかしいことはおかしいと、
やりたくないことはやりたくないと。
そう言いたかったんですよね。
ただ会社に雇われる身だと、
どうしてもそれが難しい場面がありますよね。
でも、自分は言いたかった。
だから、おかしい仕事はおかしいからやらないと進める状態が自分にとって大切でした。」
4.私にとっては「自分にも他者にも誠実でいられること」?
どうだろう。
聴いたとき、
私は想定していたこととは
すこし違う回答を受けて意外な印象を受けた。
定義を聞いた時には
もっと手段的というか。
たとえば、社会的自立とは
「自分が満足しながら、
自分や家族が生活するためのお金を稼いで生活することですよ」
とか、具体的な手段が返って来ると思ったのだ。
団さんの返答は手段ではなくて
「美学」に近いことだったのが、印象的だった。
そう考えたとき、
これからどう働きたいか?を考えていた、22歳。
進路に向き合っていた時期、ある言葉に出会い
「コピーライターになりたい」と熱烈に思った
光景が脳裏に浮かんできた。
私は、ある種自分の「美学を守れる」と思い、
コピーライターはその手段の1つだと思ったから目指したのである。
コピーライターの阿部広太郎さん
「待っていてもはじまらない」というエッセイを読んで、
①そもそも広告とは「応援」であること
②コピーライターに向いているのは
「素直で誠実で貪欲な人間である」
この2つの言葉に出会ったとき。
葛藤を続けていた22年間を救われたように
すーっと心が楽になった。
(リンク、第3章参照)
大学時代、応援部に入っていて
人生の中で1番自然と力が入ったのが「応援」だったこと。
そして子供ではなく大人になるにつれて、
「社会人になったら不利になるのではないか?」
と不安に感じていた
「素直で誠実で貪欲な人間である」という特徴が「人の役に立てる
ポジティブなエネルギーに変換できる道もある」
と知ったことは、人生で転機だったし
大きな希望をもったきっかけだった。
大人になっても
そういう姿勢で生き続けることはできるし
ちゃんと自立できるのではないか?
そんな想いをもった22歳から4年経った今も
わたしは
「素直で、誠実で、貪欲な人間でいたい」
と願っている。
では、改めて。いま
「自分にとって社会的自立とは?」
と、問うたとき。
まだ自分の言葉で話せるわけではないけれど、
仮説としては
「自分にも他人にも、誠実でいられること」
かもしれないと思った。
誠実でいられる状態。
つまり、真心がある状態。
その上で、自分の足で生きていくことが
私にとっての社会的自立かもしれないと思った。
5.「社会的自立の獲得」をテーマに話してみたい。
こう書いている中で、思ったのは
「あぁ、全体の質問時間で聴けばよかった...」
ということであった。
「読み手」として知りたい人は
私以外にもいただろうなと思ったから。
また私自身
◎みなさんにとって「社会的自立」とはなんですか?ということ
◎どうやって社会的自立を獲得していきたいか?いけるものかしら?ということ
について、周囲の人と
共通の「視点」を共有した上で
ぼやぼやぼや〜と時間をかけて対話したかったからである。
ただその場では迷ったが、
全体では質問しない判断をしたので代わりに文章で残してみることにした。
(ただ団さんの言葉は録音をできていないので、
言葉が正確ではないことを謝りたい....)
すごく一言で言うと....
もし読んで興味深いなという方がいたら
このテーマについてお話しできたら嬉しいです🤝
いたらしたらお声がけしてもらえると喜びます。
6.編集後記-ますかけ線を信じてみる-
今週末、実家に帰省した。
母親と昔の写真を整理しながら、
幼いころを懐かしむ中で
私には生まれた時から
左手に百握り(ますかけ線)があることがわかった。
テレビ番組の手相特集でよく聴く
「100人に1人がもつ
徳川家康や豊臣秀吉にあった天下取りの手相である。」
(手相上だと。)
天下取りというのは、いまの時代何とことだろう?とは思うのだけれど
ますかけ線がある人は、社会に対して才能を発揮できる人が多いらしい。
私は、占いを信じるタイプではないけれど
信じた方が機嫌がよくなるものについては
「わーい!」と思って
お守りにはするようにしている。
手相によると、能力はあるけれど発揮できていない可能性もある。しかしながら
「周囲をどんどん味方につけて、ぶち破っていきましょう」という力強い言葉があった。
ありがたいことに、
私は「人に頼ること」も美しいと思っているので
周囲の人と応援して合う関係性をつくることが好きだし「突破力がある」いうことも1年目のとき、会社の部長に褒められたことである。
自分から破っていく力はつよそうだと思うので
手相もお守りにして
社会的自立の獲得に向けて、貪欲に
がんばってやるぞ、と思った。
ますかけ線そのものに
意味があるかは分からないけれど、
ますかけ線の説明をみて、
「自分は絶対に自分の道をつくれる!そうに決まってるじゃんね。」
と思える、内側に秘める気の強さは好きなので、
絶対獲得してやるぞ!というきもちで
でもマイペースに前に進んでいこうと思う。