夫を捨てた日。

夫と別居した。
原因はお金と、考え方、意見の食い違い。
好きじゃない人と一緒に暮らしててもしんどいし
子供を連れて家を出た。
遅かれ早かれこの人とは離婚するだろうなと薄々は気づいていたけど
こんなにはやく決断する日が来るとは思いもよらなかった。

前から思ってたけど、話し合いをしても話が噛み合わない。
考え方がまったく合わない。
「分かった」と言っていたことも、納得してないから時間が立つと事実を曲げられ私のせいにされる。
向き合って話し合うほど嫌いになりそうで
ずっと向き合うことを避けていた。
どちらかが折れるしかないそんな関係は
長続きするはずもなかった。
私なんて所詮家事育児機能付きのATMで、大切にされない、そんな存在。
お金を渡せと言われるたび、これ以上渡せるお金もないから体を売るしかないと本気で思っていた。

「もう体売るしかない。お金これ以上だせないよ。」そう伝えて喧嘩したら
「きも。」
夫はただそれだけ言った。

ああ死のう。保険金だけ残して家族が困らないようにして死のう。そう思った。
家事も育児もお金も全部。解決しない問題ばかり。
私が死ねば、保険金が入れば、全てから解放されて楽になるのかな。
そう考えて追い詰められていた、そんな5月。
私は同世代の女性の中でも稼ぎがいいはずだけどどうしてこんなにお金がなくて苦しいのだろうと悩んでいた。

そして8月。夫の浪費に気づく。
ああこれが原因だったのか。
向き合わず、お金を渡し続けてきた、甘やかしてきたツケがここにきて出てきた。

私が悪かった。私が頑張れば何とかなると思っていたけど、私が夫をだめにしていた。

家計を立て直すために、車を売ったりやりくりするための計画を立てたり
歩み寄った話し合いをしてみたけど
どれも話が、考えが噛み合わない。
悔しくて虚しかった。
私の声は届かない。思いも伝わらない。
私だけが必死になって空回りしてるような、そんな気分。
ぷつんと心の糸が切れる音がした。

家を出て夫から離れたら、お金をなんとかしなくちゃというプレッシャーなくなった。
そしたら肩の荷が降りたんだ。
自ずとお金がないから体を売らなくちゃとか、保険金を残して死んでやろうとか思わななくなった。

離れてみたら冷静になる。
すると気づいてしまった。夫のことは、大して好きでもなかったんだなって。
もうお金で悩まなくてもいい、体を売らないといけないというまで追い詰められることはなくなった。
もはやそこまでの考えに至る関係がおかしかったんだ。

最初から最後まで夫とは向き合いきれなかった。
理解しようと頑張ってみたけど何を考えているか分からないし、表面上でしか関わりきれなかった。
夫の心の奥底、心の隙間、本質、理解したかった。
だけどどうやってもなにも見えないんだ。
あなたは誰なの?
何を考えてるか分からない。宇宙人に見えてくる。

私は今、あなたと離れて凄く楽になったんだ。
これに気づいてしまったら、もう戻れないよ。
そして虚しいんだ。
普通の家庭が欲しかった。
幸せになりたかった。
結婚してそれが叶うと思っていたのに。

私は、人生の針を正しく使えない。

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