最後に

みんなでいる時間が好きだった。
私の友達と彼と遊ぶ時間が楽しかった。
私たちの関係は伏せて、その時間だけは友達。
だから楽しい。
彼女たちの前では私は女ではなく友達なんだ。
女のコミュニティーの掟。
確信は言わない。認めない。怪しいよねーと言われてもはぐらかす。
じゃないと核心を突く言葉をかけるとそれはいずれ武器に変わる。
私は心の奥では誰も信じていない。裏切られて傷つけられてきた経験が多すぎた。
私はこのままがよかった。このまま泳いでいたかった。私があれだけ辞めて欲しいと訴えたのに。
次はないと言ったのに。私の言葉や思いより、彼女らの言葉を聞いてしまうの？
なんで？どうして？なぜ同じことを繰り返すの？
私とここまでの関係を作っておいて、なんで私を蔑ろにするの？嫌がることをするの？所詮私なんてその程度。
私の言葉や思いは彼に伝わらなかったようだ。
わかってもらえたって思えたあの日々も偽物なの？せっかく楽しかったのに。私の友達を紹介しなければよかった。友達にもしつこく詮索されて嫌になった。
同情という好奇がわかる。悪意が見える。
友達のことも嫌いになりたくないけど嫌いになった。
人と人は近すぎたらだめ。相性が相当良くないと壊れる。
私の内側なんか本当は誰にもみせたくない。
よっぽど信用してない限り。あなただから見せたのに。
私は私を理解してくれるひとはあなただけでよかった。あなたひとりだけでよかった。
他人にまで私の内側を見せようなんて思わない。

仕方なしに今まであったことを友達に話すたびに心が崩れそうになる。
「めんどくさい女でしょ。みほに嘘つかれて悲しいから本当のこといって。嘘付いてるのわかりやすいから」
もういやだ。私を侮辱するのはもう辞めて。話したくもないことなんで話さなくちゃいけないの。
私に踏み入ってこないで。その言葉の真意はただの好奇心のくせに。
なにが彼は私を心配してるだ。
心配といっておけば逃げ切れるとでも思ってるの？ねえ、ふやりやりとりで私ってどう映ってるの？
どんな私の何が見えた？私はここにいるのに。
勝手にふたりの世界で私という存在を作り上げないで。

ほら、最後は絶対みんな私を裏切るでしょ。

それなら最初からあなたに心なんか開かなければよかった。特別な感情を抱いてしまったらこっから先が辛いだけ。

もう絶対人に心なんか開かない。もう懲り懲りだよ。