97歳のおばあちゃんと山王祭とこどもたち

「今日は山王祭りだね。私も子供の頃行ってたのよ。」
朝食を配膳してたときに97歳のおばあちゃんが私にそういった。今日は5月31日。市内では大きなお祭りが開かれる日だ。97歳のおばあちゃんが子供の頃だから、90年前からあったのだろうか。97歳だから戦前戦後のお祭り模様もみてるだろう。あの大空襲だってみてるはず。8月1日神通川の向こう岸全てが、空襲で燃えた。熱くて川に逃げ込んでも川も熱くて、死体が沢山流れていた。死んだ私のじいちゃんが教えてくれた。もちろんお祭りが開かれるあの町も焼け野が原になっていた。あの一帯はかなり大惨事だったはず。戦後の町が活気を戻した頃にはきっとおばあちゃんは20代。どんな思いでお祭りに行っていたのかなと少し考えていた。「本当だ。今日からお祭りですね。私も行ってこようかな。」


おばあちゃんは笑顔を返してくれてた。そしてみんなと朝ごはんを食べた。6月1日、仕事を終えて夜に子どもたちとお祭りに行った。コロナ明け初めての山王祭。屋台がたくさんでて、たくさんの人も集まり活気が戻っていた。子どもとはぐれないようにしっかり手を握って歩く。ゲームをしてわたあめを食べて、子どもたちも思う存分お祭りを楽しんだ。子供たちが私と手を繋いで一緒にお祭りに行ってくれるのはいつまでなのかな。97歳のおばあちゃんを思い出すと、今が平和でよかったなと思う。


また来年も一緒に行こうね。

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