sioで朝ディナーした話~サバティカル休暇日記⑨
日々生活する中で「ここに行ってみたい!」と思った情報を目にすること、ありますよね。
わたしは今までの人生で「気になるな~」と思ったきり何もせず、いざ外出の予定を立てるとき「あの時見た情報、なんだったっけ…?」となって思い出せない経験を数えきれないくらい重ねてきました。
その結果、自分の脳みそに記憶を頼るのをやめよう!と、携帯のメモアプリに「行きたい場所」など、とりあえず情報を放り込んでおく用のメモをカテゴリ別に分けて情報をストックすることにしています。
今回サバティカル休暇に入るにあたり「やりたいことリスト」を作成したときも、携帯のメモを見ながら休暇中に実現できそうなことをピックアップしてきました。
今回の週1家出で行く目的地も、行きたい場所にリストアップされていた場所でした。その場所とは、「sio」というレストラン。
※前回の記事ではsioに行く前日のことを書きました。今回はその後編です
sioに興味を持った理由
sioを知ったきっかけは、シェフの鳥羽周作さんでした。サッカー選手→小学校教師を経て32歳で料理人になり、2020年にはミシュランガイドで一つ星を獲得した彼。
料理人でありながら経営者として手腕を発揮し、ジャンルの異なる飲食店を5店舗展開したり、コロナ禍でレストランの看板メニューのレシピをSNSで公開したり、今までの飲食業界にはなかった経営戦略を推し進めるのを知って「いつかこの人のお店に行ってみたい」と思い、行きたい場所リストにsioの名前を書いていたんです。
「サバティカル休暇で時間がある今ならsioに行けるんじゃ…!?」と思い、お店のHPを見ると……朝ディナー!?!?
朝なのにディナー??なにそれ!?
俄然、興味をそそられて詳しく調べてみると
・新型コロナの影響で夜の時間帯の営業が難しい
・生活スタイルが多様化する中で、朝の時間を有効活用しながら料理を楽しんでもらいたい
という背景から、ディナーを「1日の中で主となる食事」という意味でとらえ、朝ディナーという名前で打ち出すプランを開始したとのこと。
夜の営業時間が短縮になったから朝から営業し、朝ディナーという名前でフルコースのプランを企画するなんて!
いい意味で非常識な考えに胸を打たれて、HPから予約手続きを進めます。
お店に行く前から始まる、新鮮な体験
朝ディナーは8:30~と9:00スタートの2部制だったので、朝一の8:30で予約しました。(完全予約制で、2021年7月頭に予約したのですが最短で予約枠が空いているのが10日後とかでした。人気……!)
HPから予約を進めると、コンタクトレス決済を導入しているとのこと。予約時にクレジットカード情報を記入しておき、予約日当日、食事が済んだタイミングでお会計が完了するシステムみたいです。
予約を終えて、あとは当日を待つだけ。
……あっという間に時は経ち、予約日まであと2日となったころ。知らない番号から電話がかかってきました。
誰だろう?と思うと、sioのスタッフさんからのお電話。
電話の内容は、予約日の確認とあわせて、苦手なものや食材でアレルギーはないか?という確認でした。
飲食店に予約して、事前にそんな手厚い確認受けたことなんてないよ……!当日の期待がますます膨らみます。
前日はHafHをつかってザ・ミレニアルズ渋谷に宿泊。翌朝、8:30の予約に間に合うようにお店のある代々木上原に向けて出発。
朝7時台の渋谷で見かけたランドセル姿の小学生。見慣れた街でも、時間帯が変わるといつもと違う景色が見られるのも家出(旅行)の醍醐味ですね。
念願のsio体験
時間通りお店に到着すると、こちらから名乗る前に「ほしのさんですね、お待ちしていました。」とスタッフさんが出迎えてくれてびっくり。
予約時に入力した情報から誰か判断して、声をかけてくれてるんだろうな。サービスの細やかさがすごい!
席に案内され、コース全体やドリンクの説明がひととおり終わりしばし待っていると、料理がサーブされます。
新玉ねぎの素材を活かしたシンプルなスープからスタート。
朝ごはんらしくオムレツあり、ポワソン(焼き魚)あり。西洋のメニューが来たと思ったら今度は和テイスト満載のメニューが。
メインのお肉料理。シンプルだけど口に入れた瞬間、火加減や塩加減などが丁寧に作られているのが伝わってきます。
〆は和の要素満載のしらすごはん。(お箸は最後にお持ち帰りOK)
素材を生かしたシンプルな料理から、食材や調味料の組み合わせや食感が新鮮でおもしろい料理まで。
いずれもゆっくりとていねいにつくられた一品なので、食するわたしも、自然とゆったり時間をかけてていねいに味わいます。
暖かいものを、あたたかいうちに。
おいしさを、しみじみ味わって。
時間を気にせず、自分のペースで。
気づいたらあっという間に2時間くらいが経過していました。
最後に出てきたのはデザートの塩アイス。
お腹いっぱいのはずなのに、デザートは別腹。ぺろりと平らげると、紅茶が出てきてコースは終了。
と同時に、携帯に決済完了の連絡が届きました。
「なるほど!コンタクトレス決済ってこういうことか!コロナ禍で非接触で会計できるの良いし、デートや会食でスマートに会計したい時にいい仕組みだな~。」
と、最後に新しい体験をして、sioを後にしました。
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コロナ禍で外食する機会が減っていたので、久しぶりの外食でしたが
・お店に行く前からはじまるおもてなし
・朝にディナーという非日常体験
・清潔で居心地の良い空間
・スタッフさんのサービス
・言わずもがな、最高の料理
などなど。一般的な飲食店には取り入れられていない新しい体験。料理の味とともに贅沢さ、自分が大切にされてる感覚などが味わえる体験でした。
やっぱり、自分のために誰かが心を込めて大切に、丁寧につくられたものを食べると心が豊かになって、自然とまわりを大切にできる余裕が生まれるから不思議ですね。
今回の体験から、「心がすさんで余裕がなくなってきたら、自分を大事にする時間を作ろう」と心に決めました。
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※追記※
私が朝ディナーに行ったのが2021年7月中旬だったのですが、2021年9月1日にこのnoteを書くためにsioのHPを見ると朝ディナーは終了しているようです。(色々とトライし、結果によって適宜辞める判断を下しながら進んでいるんでしょうね)
ランチとディナーは引き続き営業しているようなので、興味を持った方はぜひ!