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今宵の月をあなたにあげよう

栗林公園内にある
掬月亭というお茶室を訪れてみた

江戸初期に建てられた数寄屋風書院造りの建物で
池の畔に佇み
茶室が池にせり出しているので
四季折々に表情が変わる美しい池の様子を
まるで船の上に浮かんでいるように眺める事ができ

この園を所有していた歴代の藩士に愛された
園内でも絶対に外せない見どころの一つだ

掬月の間からの池の眺めは事前に聞いていた噂通り
圧倒的な美しさ

しかもこちらの園は
京都や他の観光地にある場所と違って
観光客が少ないので

目の前に広がる壮大な景色を
視界が遮られる事なく眺める事ができ

風が池の水面を触れる音や
青々とした紅葉の葉が揺れる音まで聞こえてくる

元々この園は高松藩主がお茶会を開いたり
水遊びを楽しむための別邸として建てたらしいのだが

邪推をするに

実はこの素晴らしいお茶室を受け継いだ後の藩主たちは

「茶の湯の精神を学ぼう…」

みたいな崇高な用途に使っていたのではなく

意中の姫君たちと逢瀬を重ねる為に

使いまくっていたのではないか…っ!!

と思ってしまう

この場所に招待された姫君たちは
四季折々の風景を楽しみながらも

船の上にいるような
心ともない感覚を感じてしまう瞬間に

お殿様「大丈夫、僕が隣にいるよ…」

的なアプローチで
すかさず、逃さず、ハートをキャッチするという

心理学でいう「吊り橋効果」を
ふんだんに活用していたのでは!?

古今東西
殿方が思うことは
みな同じ

この「掬月亭」という名前の由来となったのは

「水面に映る月を手で掬うと月が手に取れるようだ」という意味の

「掬水月在手」という

中国唐時代の詩を元に名付けられたんだそうですが

お殿様が

「其方に今宵の月を賜りたもう…」

みたいな感じで
姫君を口説いてたり

現代で言うと
「何とかタワー」の最上階にあるレストランで

「君の瞳に乾杯…」

みたいな感じで
港区女子を口説いてたり

時代変われど
殿方が望むことは
ただ一つ

時代変われど繰り返す
男と女の恋愛駆け引き

景色と雰囲気と甘い言葉に誘われ
心とろけるお姫様

高級レストランとシャンパンと
韓ドラから借りてきた誘い文句でオチてしまう
港区女子

(昔も今も

人ってそんなにかわっていないんだな…)

なんてことを

国の特別名勝にも指定されている文化財大庭園の
何とも趣が感じられる美しい風景を眺めながら
徒然と思い浮かべるも

心のどこかで

(ダメよみんなっ!!

そんな簡単にオトされちゃ!!

こいつは他の女性にも同じ事言ってるわよ!!)



今も昔も存在するダメ男に騙されないように
今も昔も恋に恋してしまう乙女たちに
叫んでいたわたしなのでした

#本当に素晴らしいお茶室でした

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