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子どもと本当に大切なことについて対話したければ〜ひらがなを話すということ、その①

わたしたちが内側にあるものを表現するとき、必要なものは?

というお題からそれぞれ文章を書いてみようと、大学1年生の女の子との対話の中で決まった。わたしも書く気満々。ちょうど書きたいことがあったのでそのことを書きます。

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社会に出てからのわたしの仕事の半分は、「子どもたちと話すこと」だった。これはわたしにはとてもとても好きなことで、やれることで、やりたいことで、やっていく必要があるなと思ってること。

わたしが子どもたちと対話の様子を話すと、「そんなことを言うなんて」と驚かれることがある。「そんなことまで考えているんですか」と。そうなんですよ。みんなものすごく考えているし、感じている。言葉にならないことをたくさんはらんで生きているのは、大人も子どももみんな同じ。

じゃあどうやってそういう対話をするの?とたくさんの問いを受けてきた。前は言葉にならなかったけど、今は道を見つけた。

今わたしは、「ひらがなを話そうとしたらいいです」と答える。

ひらがなを話すっていうのは、自分の全部を聞いて、自分の全部から話すってこと。自分に心を開いて、相手に心を開いて話すこと。

子どもと話すときに自分も童心に帰って話す、みたいなこととは少し違う。ひらがなは、成熟した全体性から響く音。自分のどこも押さえつけず、自分の全部を聞き取って、自分の全部の中から総意で選ばれた一つの言葉を音にすること。わたしたちはこのことを、「ひらがなを話す」と呼んでいる。

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子どもと話すために一番やるべきことは、自分の内側の声を今聞ける分全部聞くこと。これに尽きる。できてるできてないはそんなに関係なく、そうやってともにいようとしていること、それが相手との間で交わされる言葉の質を変える。わたしが話す時には、わたしの全部をわたしが聴いて、わたしの全部で話す。相手が話す時には、まず相手の声をわたしの全部で聴いて、そして相手の声から起こるわたしの全部を聴いて、その上でわたしの全部で話す。

大切でそして練習が必要なのは、大きな声、小さな声、全てに耳を傾けて、どの声も言葉になっていい、と自分の中でゆるすこと。自分の内側に現れる全ての声を言葉にしていいっていう許可がないと、目の前の人がその言葉を言った時にシンプルに「聞けない」が起こる。例えば子どもたちは、うるせーとか、死ねとか、だるーとか、嘘ついたりとか誤魔化したりとか、ものすごくわかりやすく言う。その一個一個の声が自分の中で生まれた時に否定せず、なんなら声に出しても大丈夫っていう許可がない限り瞬間大爆発を起こして、「そう言うことを言うな!!!」(なぜならそんなことは言っても思ってもいけないけど自分の中にもあって、こんなに俺は頑張って抑えてるのにお前というやつは!!!)っていう拒否反応が起きる。結果、相手を変えねば、わたしは正しい、みたいな時間が始まってしまう。こうなるとお互いに反応的になって、本当のことを話して聞く場所に戻るのに根気がいる。

子どもたちはその場を生き延びようっていう生命力がたくましいので、目の前の大人とうまくやるスキルをそれぞれにすごい速さで身につけてしまう。これはかつて子どもだった私たちが磨き上げてきたスキル。こうやって「うまく」やってるうちに、本当のことを言わなくなる。自分の声も聞かなくなる。

おとなにできることは、「うまく」やらなくてもわたしたちはつながっているしいっしょにいられるよ、というところから話すこと。

子どもと本当のことを話すには、まず自分の全部を聞き取ることからはじまる。自分の全部を聞き取って話そうとしてる姿だけで、子どもたちはわかる。「この人はウソをつかない、ということは僕もつかなくても、いいかも?」敏感だからこそ、すぐわかってくれる。それで子どもたちはちょっとずつ安心して、まあるい光のたまに戻る。戻っていく。まあるい光のたまとして、安心して話す彼らは、ただただうつくしくひかる、世界の宝物。

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彼らを宝物のまま育てたければ、彼らを良くしたい、思う通りにしたい、言いくるめたい、力で押さえつけてしまいたい、っていう衝動が起こった時もその声たちも聞くのだ。いい自分、美しい自分でいたくても、その衝動が起こるのも自分なんだってことも「わたし」が引き受けて聞いてあげる。そしてそのあとで声を出す。これに相手からの声が返ってきて、また最初から自分の内側の全部の声を聞く。

「話す」っていうのはあまりに毎日の普通のことだから忘れがちだけど、豊かなプロセスで成り立ってる。一瞬で応答しなきゃ!の中で短縮するたびに、わたしのどこかが置いてけぼりになる。このプロセスをものすごく丁寧に進むこと、今は完璧じゃなくてもその道を歩くのだと決めて、自分に心ひらいて相手に心ひらいて言葉を話すことを、私たち「ひらがなを話す」と呼んでいる。もう読んでくれてる人はわかってると思うけど、当然これはこどもと話す時だけじゃなくて、全ての人と話す時の話。子どもの場合はレスポンスがはやいので、すぐわかるよ!というだけのこと。

ひらがなを話すをやってみようとしても、うまくいかないこともできないこともいっぱいある。だから、みんなでいっしょに練習しましょう、という「ひらがなを話す会」を始めた。

今、オンラインで1回目のグループが進んでいて、2回目のグループももうすぐはじまる。こちらも満席。

オンラインは時間の都合上1時間半っていう短い時間なんだけど、9月4日からは、名古屋で対面で1回あたり3時間かけてみんなで「ひらがなを話す」を練習します。

ずっとずっと人に分かち合いたくてどうしたらいいかわからなかったことが一つずつ形になっていくことの喜び!

しかもこのひらがなを話す会、キーワードは「みんなで、いっしょに」なのだ。それが好き。大好き。どんなわたしもいっしょにいる、当たり前に。それを体感する。誰もひとりにしない、ならない、なるわけがない。それを体験しようね。体感しようね。忘れられない時間を過ごそう。そのことはまた、次に書きます。

ああ、ひらがなを話す会、アツイ!!

ひらがなを話す会@名古屋、あと4名参加者募集してます。

開催日:
第1回 9/4(土) ひらがなについて &「知っている」に触れる
第2回 10/2(土) 「小さな私」の声に触れる
第3回 11/3( 水・祝) 「私の全部の声を聴く」
第4回 12/18(土) 「大きな私」の声を聴く
*単発参加はありません

参加費:全4回 32,000円(税込)

時間:各回 14:00-17:00
場所:愛知県名古屋市昭和区
八事駅から徒歩5分 詳しい場所は申込後お伝えします。

お申し込みは、「ひらがなを話す会名古屋参加」と明記して、
info@earthpartner.jp
もしくはFacebookで平田里菜までメッセージください。

平田里菜

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