Podcast News-今、社内限定ポッドキャストをおすすめする理由
こんにちは。アライ@翻訳です。
(音声版でも配信しています。リンクはこちら)
さて、今回はPodcast Newsのご紹介です。
以前の記事では、アメリカにおけるコロナ禍初期のポッドキャストの視聴率動向をお伝えしました。通勤時間と密接に関係していたポッドキャストの視聴パターンが崩れたことによるリスナー数の減少、そこからスポンサー収入が危ぶまれるという現実がありました。
今回は、今だからこそポッドキャスト!という視点のニュース。企業ポットキャストの中でも「社内限定ポッドキャスト」にスポットを当てたいと思います。
1.そもそも企業ポッドキャストとは
ポッドキャストにもいろいろ種類がありますが、そもそも企業ポッドキャスト(Enterprise Podcast)とは、企業自身が製作して配信するタイプのポッドキャストで、企業がスポンサーとなって制作会社が作る番組や、会社のCEOがゲストに呼ばれる番組などとは異なります。
2019年段階で、Fortune500のTop25社の内17社が企業ポッドキャストを配信しているという調査もあるぐらい、今企業が持つべき注目のメディアです。
ここで言う企業ポッドキャストの目的は3つ
①会社のマーケティング
②採用ツール
③社内教育・eラーニングのツール
企業のマーケティングや採用ツールを目的とした場合、社外に向けて配信するんですが、実は社内教育やeラーニングのツールとして社内に向けてのみ配信するタイプもあるんです。これが今回取り上げる社内限定ポッドキャスト。
2.なぜ、今おすすめなのか?
ではなぜ、社内限定ポッドキャストが今おすすめなのかと言うと・・・リモートワーク・在宅勤務が増えてきているからなんです。
コロナの影響で、同僚や上司とはオンラインミーティング以外では顔を合わさなくなってしまった方も多いと思います。今までなら、同じ空間にいるから感じ取れた周囲の動向が分かりづらくなってしまい、会社となんとなく距離が出来てしまう。
これ、プロジェクトをまとめるリーダーやマネージャー、ましてや会社のトップからすると求心力を失うという問題につながってしまいます。
そもそも大企業の中で働くと、社長の顔やましてや声なんて聞くのは入社式以来なかったりしますし、会社全体のビジョンを聞くような機会も年に数回。社内報とやらがあっても、実際のところ読まれているかどうかは皆無(経験者)です。
そこで、社内限定のポッドキャストに注目が集まっているんです。
ポッドキャストは、新たなスキマ時間へのリーチや、エンゲージメントの高さが特徴のメディア。今まであまり聞いたことのなかった社長の声、話し方、人柄なんかが分かることで、従業員との距離を縮めるツールとして役立つというわけです。
また、話す内容に関しても、社外向けのPRとは異なり、社外秘であるかどうかを気にせずに話すことが出来るため、ストレートに且つタイムリーに社員にメッセージを届ける事が出来ます。
もう一つのボーナス特典としては、ポッドキャストの話し手となる社長にとって、スピーチの練習になるという事。今ではプレスリリースをTEDの如くステージ上で行う会社もあると思いますが、社内限定ポッドキャストを通じて自分の話に磨きがかかる、というのも特典の1つです。
3.どうやって作るのか?
それでは、今回取り上げるQuartzの記事を参考に、実際の作り方について簡単にまとめてみます。
3.1.配信の仕方
まず社内限定の配信の仕方ですが、社内のイントラネットを通じ、パスワード設定をして社員が各自ダウンロードできるようにするのが一番簡単な方法だそう。
3.2.基本の5ステップ
そして、社内限定ポッドキャスト作りの5つのステップはこちら。
①ポッドキャストパーソナリティーの選出
②機材の購入
③テーマ決め
④収録
⑤リスナーデータの分析
3.3.ポッドキャストパーソナリティーの選出
ポッドキャストパーソナリティーの選出なんですが、理想を言えば社長。ただ、ポッドキャストは声のメディア、人柄やカリスマ性が結構声に出るんです。そこで、社長がいろいろな理由でパーソナリティーとしては難しい場合、他の取締役(CTOやCFO等)クラスか、マネージャークラスから選ぶのがおススメです。これによって、従業員にとっては普段はあまり話をする機会のない上司の上司、取締役レベルの描く会社や業界などに触れる事が出来ます。
3.4.機材の購入
これはマイクとヘッドフォンさえあればOK。あまり音質にこだわらなければ、簡単にZOOMでも音声データだけをエクスポートすることが可能です。動画作成よりも圧倒的に低予算で作成する事が出来るので、初めてでもハードルが低いメディアでもあります。
3.5.番組のテーマ決め
最初は従業員からのフィードバックを元に作りましょう。前もって社内にポッドキャストの配信開始を伝えて、社長への質問を募ったり、聴きたいテーマやアイデアを募るのが手っ取り早い方法です。
テーマ案としては・・・
・プレゼン下手な社員に向けて、社内でも有数なプロを呼んでコツをシェアするポッドキャスト
・中途採用が多い会社であれば、転職してこの会社に辿り着いた経緯だったり、他社での経験を生かす方法を複数の従業員がリレー式で話すポッドキャスト
・会社のトップに対するざっくばらんなQ&A
・取引先さんを呼んで共同プロジェクトへの熱意を社内全体に伝えるという使い方もあります。
3.6.収録
出来るだけ小さい部屋で行いましょう。例えば窓の少ない部屋だと音の反響を少なくなるので、音質が上がります。ただ、社内限定なのであまり神経質になりすぎず、最初はいろんな場所で試してみるのがおススメです。
3.7.リスナーデータの分析
社内限定ポッドキャストは、バズることを目的としているわけではなく、求心力を高めたり、社員とのつながりを強くするのが目的ではありますが、各エピソード毎のダウンロード数、視聴数ぐらいは把握する事が重要です。そこから、従業員の抱える問題点や求められているテーマなどが明らかになり、次のエピソード作りに繋がります。
4.まとめ
ここまでで社内限定ポッドキャスト、少しどんなイメージか湧いてきたでしょうか?
私も会社で働いていたら、そんな限定のコンテンツ作ってみたいし、是非聴いてみたいです。
今年に入って、今までとは全く違う働き方が急激に進んできている中だからこそ、離れている従業員やチームメンバーを繋ぐツールとして使えるポッドキャスト。是非、これをきっかけに、初めてみるのも面白いと思います。
今後も会社のマーケティング目的としてだけではなく、採用ツールとして使える企業ポッドキャスト事例なども、このPodcast Newsで取り上げていきたいと思います。
それでは、次回のnoteで。
今回は、以下の記事を参考にしました。