ゆかめ線3

旅の風の吹くままに

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最近の記事

待ち合わせは釜田駅で。ビール、焼肉、東横イン。【初訪韓2】

 まずは言語表示を日本語に切り替えて、キャシングを選択・・・、クレジットカードを挿入し・・・、暗証番号を入力、必要な額を押して・・・。  『このカードはご利用いただけません』  15時30分、釜山駅。私はATMを前にして呆然とした。天井が高く、開放的で明るい駅のコンコースの脇、現地の人が忙しなく行き交う様子を横目に見つつ、完全に困り果てていた。 現金ダウンロード珍道中  ウォンが手に入らない。  初めての韓国旅行。福岡発の高速船で釜山港に上陸したのが先ほどの事。釜山

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    • 初の海外旅行。JR九州高速船「クイーンビートル」に揺られる4時間。【初訪韓1】

       「じゃ、また後で」  朝の福岡空港でフォロワーのN氏を見送る。彼はこれから飛行機に乗って韓国・釜山へ向かうという。ちょうど搭乗手続きが始まる頃で、出発口には人がずらりと列を成していた。  私は彼がその列に混ざっていく様子を確認してから、少し急ぎ足で空港を後にした。私の門限も迫っている。  空港から地下鉄とバスを乗り継いで向かった先は、博多港国際ターミナル。何を隠そう、私の目的地も釜山だった。これから博多港9時発の高速船で釜山港へと向かう。私にとって初の海外旅行になる。

      • 東京~神戸、鉄道150周年の非18旅。

         ある金曜の朝。これから出社していくだろうスーツ姿の通勤客と共に、私は東京駅の中央線ホームへと吐き出された。  列車を降りた人々は堰を切ったように下りエスカレーターへと流れていく。激流にのまれ、みるみるうちに私は地上階のコンコースへと流れついた。往来の邪魔にならない柱の脇に場所を取り、一息つく。  視界には忙しなく行き交う通勤客の姿が映る。同時に、大きなキャリーケースを引っ張った旅行客然とした人々も目立つ。平日朝の通勤時間帯でありながら、どこか旅の風情も漂っている。東京駅

        • ”藍色鳥海”をめぐる【由利高原鉄道】

           「あ、夜行バスがセールやってる」  最初の動機は、こんな些細なものであったと思う。  新年度も始まりたての4月頭。1日分の青春18きっぷを余らせていた私は、夜行バスと抱き合わせで遠出することに決めた。丸1日を在来線での18きっぷ移動に費やしどこかで一泊、翌日の夜行バスで東京に戻ってくるというのはどうだろうか。そうすれば朝から夜行バスで帰るまでの丸一日を旅先で過ごすことができる。期間は1泊2日。行先はどこか穏やかな空気の流れていそうなローカル線。  それから色々調べて、

          追懐、八戸駅コインロッカー。

           「ふう、間に合った」  人影のまばらなホームに反響する発車メロディに急かされるがまま、私は階段を駆け下り、八戸駅22時15分発の「はやて98号」へと飛び乗った。指定座席に腰かけ一息ついた頃、列車はもう八戸駅を滑り出していた。八戸から盛岡へ向かう最終列車である。  後方へ流れる駅の明かりを最後にして、車窓は黒一色に染まる。田園地帯の中を走っているのだろう。夜の車窓に映るものは何一つない。  この最終列車で盛岡に出て、駅前から数分歩いたところにあるネットカフェに入れば、今

          追懐、八戸駅コインロッカー。

          雨上がり。香風園と、宇夫階神社へ。

           予報の通り、朝から雨が降っていた。それを確認した私は間髪いれず二度寝を決意。次に目を覚ますと、時計は13時を指していた。雨は上がっていた。香川滞在最終日。今日の予定は未定である。  (さて、今日はどうしようか……)  香川の街巡りにまつわる本を広げる。高松・坂出・宇多津・丸亀・観音寺といった地域にスポットを当てた、先日手に入れたばかりの本だ。 雨のち晴れ  理想を言えば、今日は朝から行動を開始して、街巡り本で紹介されている場所を計画的にいくつも巡ろうと考えていた。

          雨上がり。香風園と、宇夫階神社へ。

          オタクのお金で、致しおり【後】

          前回のあらすじ  わたし、私立文系大学卒だというのに彼女ができたこともなければ本番性行為をしたこともないその辺によくいる普通の異常独身男性25歳! いっけなーい遅漏遅漏! 今日も趣味のお風呂巡りをするために、夕暮れ時から電車を乗り継いで東京都内まで遊びに来たんだった! 先を急がなきゃ!  朝食で食べ損ねた食パンを口にくわえながら全力疾走する私。日々の疲れからか、不幸にも白塗りの高級浴槽に追突してしまう。愚息をかばいすべての責任を負ったしおりに対し、投げ銭の主、ご来賓が言い

          ¥100

          オタクのお金で、致しおり【後】

          オタクのお金で、致しおり【前】

          ・・・ふぅ(27,426円)  歴代「致しおり」で、ここまでお金のかかった回は無いだろう。なぜなら通常の "・・・ふぅ" に要する費用は0円だからだ。  強いて言えばソレに用いる布や紙類を費用とみることも可能だろう。時と場合によっては水道代もかかると言える。ただ、何度にも渡って利用できる布物、および本来の用途でも重宝する紙類への出費を今までに致した回数で割ってしまえば、それは殆ど0円に近い。実質1円がいいところだ。  過日、普段の27,426倍もの費用をかけ、文字通り高

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          オタクのお金で、致しおり【前】

          焼肉

          暑いですね 特に都市部なんかは地面の大半がコンクリートでできているわけですから、その酷暑っぷりは考えるまでもないでしょう。 こんな日に道路の上で生卵を投じれば目玉焼きにでもなるんじゃないかと思います。焼肉さえ可能なのではないか。 小皿にタレを注ぎ、コンクリートの上で焼いた肉を美味しく頬張る、そんな夏の風物詩が数年後には当たり前となってるかもしれない。 ことに、人間も焼かれているのではないかと思うのです。 コンクリートという鉄板の上で、汗という肉汁を垂らしながら焼かれ